大祭の夜に 神々の迷宮

「——まずは、冬の祭の本当の姿を教えてあげようか」
詩人は高々と、月を指さした。
「神々の時代にはね、冬の祭はふたつあったんだよ。火神が舞う冬至の祭 —— そして吟遊詩人が歌う、真冬の新月の祭とがね」

時代が進むにつれて、失われていった祭の真実を掘り出していくとか、ロマンだ。言い伝えの中にある齟齬をひっくり返して、別の物語を持ってくるうちに、だんだんと見えてくる物語にワクワクしながら、権力を持つ欲深き人たちの手にドキドキして……意外な恋愛要素もあったりして、大変面白かった。続きが楽しみ。→ 感想