伏 贋作・里見八犬伝

「なぜだか、世の中ってものが憎くて憎くてたまらんぇのよ。気づけばいつも心に雨あられがざーざー降っててよぅ。苦しくて、悔しくて、誰のこともどうでもよくってよ。それでも相変わらず、誰かに優しい手をさしのべてほしくってたまらねぇ。それでよくかっとなってよ、気づいたときにゃ、この手は血に濡れてひどくしっとりとしてるのさ」

伏と名付けられた姫の生まれから成長していくまでの物語は哀しく、江戸を騒がす「伏」を追う浜路の話は、なんだか奇妙な信頼というか、思いが見えて、何とも不思議な気持ちになりました。これ恋が生まれたら面白かったのになーと思いつつ、旅立ちの先の物語も読んでみたかったです。→ 感想