クシエルの啓示(2) 灼熱の聖地

「あたしは、怖かった」彼女はそれだけ言った。「すっかり震え上がり、やってみようともしなかった」
察してうなずいた。
「そうしていたら返り討ちにあうのがおちよ。さっきの取引を守るわ、賢女様。実はね、私たちには手持ちの切り札がもうひとつあるの。その人のことも、スカルディアで語り草になっているのよ」

辛かった……死と狂気が支配するドルージャンの地に、足を踏み入れさせようとする神々のなんと厳しいことか。フェードルのみならず、愛する人を危険な男に持っていかれる様を見続けなければならないジョスランがきつい。終わった後も残るわだかまりを、イムリールがいやしてくれたらと願うばかり。→ 感想