ジャクリーン・ケアリー

クシエルの啓示(3) 遙かなる道

「じゃあ、これでお別れなのね?あなたと私の?」 「そう、神娼の女王と流浪の民の王子の」 長い長い道のりの終わりに感動。とてもよかった。ほんとによかった。→ 感想

クシエルの啓示(2) 灼熱の聖地

「あたしは、怖かった」彼女はそれだけ言った。「すっかり震え上がり、やってみようともしなかった」 察してうなずいた。 「そうしていたら返り討ちにあうのがおちよ。さっきの取引を守るわ、賢女様。実はね、私たちには手持ちの切り札がもうひとつあるの。…

クシエルの啓示(1) 流浪の王子

「私は……私には、これから長い道が待ち受けています。誰かわかってくれるとしたら、ヒアシンスこそよくわかる人です。だから、こう伝えてください。?あなたのかわりに、私が、私とジョスランが長い道を歩いてきます?と」 なんてところで終わりやがるんだ。早…

クシエルの使徒(3) 罪人たちの迷宮

「前にも言ったかしら」と、ささやく。「愛してる、って?」 「ああ、聞いた」ささやき返してキスする。 「だが、何度聞いても飽きないね」 面白かった!ハラハラどきどきでページをめくる手がもどかしいほどだったけど、やっぱりハッピーエンドじゃないとね…

クシエルの使徒(2) 白鳥の女王

足下の地面が割れでもしたように、呆然と立ちすくむばかりだった。 はっと事態を悟ったときには遅すぎた。 はめられた。そもそもの初めから、まんまとあちらの策にはまっていたのだ。 ジョスランとのやり取りが痛くてもどかしくてしょうがなかったんですが、…

クシエルの使徒(1) 深紅の衣

「そうね」 小声で言うそばから、抗いがたいスリルが血管づたいにぞくぞくと駆け巡る。 「そろそろクシエルの矢を新たに投げるときが来たのよ」 ああもうゾクゾクしちゃう。本当に信頼できる人は片手にも満たない中、笑顔で会話しながら内心を探り、時にナー…

クシエルの矢(3) 森と狼の凍土

「で、なんと言ったな?」提督の両手が、思わず舵輪を折らんばかりに力をこめた。 「屈服したものが」 穏やかな風にもかかわらず、ぞくりと寒気がして、両肘をぎゅっと抱え込むようにした。 「常に弱いとは限らない」 ああ、面白かった。ジョスランの「選択…

クシエルの矢(2) 蜘蛛たちの宮廷

「何もかもすんで、もしもあなたがまだ生きていたら、見つけてあげる。私の約束はそこまでよ、フェードル」 フェードルから見えないところで陰謀劇が加速して、人を操る巧みさを実感してたら、まさか……黒猪あたりは涙無くして読めなかったけど、そこからがむ…

クシエルの矢(1) 八天使の王国

天使の血をひく人々の国、テールダンジュ。ここでは、愛の営みは神への捧げ物である。少女フェードルは“クシエルの矢”と呼ばれる印をもって生まれ、それゆえに数奇な運命をたどる。謎めいた貴族デローネイに引きとられ、陰謀渦巻く貴族社会で暗躍するために…