クシエルの矢(3) 森と狼の凍土

「で、なんと言ったな?」提督の両手が、思わず舵輪を折らんばかりに力をこめた。
「屈服したものが」
穏やかな風にもかかわらず、ぞくりと寒気がして、両肘をぎゅっと抱え込むようにした。
「常に弱いとは限らない」

ああ、面白かった。ジョスランの「選択」とヒヤシンスの運命と……そして何より、フェードルの覚悟が素晴らしかった。震えながら怯えながら、それでも最善のために突き進む彼女の姿勢に、皆が惹かれる気持ちがよく判る。悲しみも多かったけれど、読み終わったときには奮えるような感動がありました。けど、まだまだゾクゾクするものが残ってますね。続きがとても楽しみ。→ 感想