丘ルトロジック(2) 江西陀梔のアウラ

「あの、変だと思うかもだけどさ、けっこうマジな話で。信じてくれないかもしれないけど」
俺も執拗に茶化さない。ようやく決心したように、香澄が重い口を開く。
「最近あたし、色んなところであたしに遭うんだ」

幼馴染みの女の子がドッペルゲンガーをみたということで、彼女を救おうとするお話。オカルトな話を見せつつ、そこにあるのは現実だから、ゾクッとくる。なにより、そこに社会の歪みがあって、それを受けた人が……というあたりが苦い思いになる。みんな歪みながら、それでも笑うことが出来るから、丘研のバランスはいいな。→ 感想