名探偵に薔薇を

「なら瀬川、お前は何を期待して生きてるんだ?」
瀬川は煙草をくわえた。火はつけない。
「昔、祈ったこともあった」
呟くように続ける。
「それきりだ」

もう、何がなんだか。第一部のメルヘン小人地獄の見たて殺人事件は、鮮やかな解決を見せて心踊らせてたら、第二部が。限られた容疑者の中で、何が起きたかを想像してたら、二転三転。やられまくった。名探偵であり続ける彼女が、またひとつ背負ったものの重さに、やるせなくなる。→ 感想