霧こそ闇の

「おれと狭霧は、荷車の両輪のようなものだな」
義伯の声は、眠たそうではあったが弱くはなかった。
「狭霧が物の怪を見つけ出し、おれは、病で傷んだ体を治してやる。両方そろわねば、病者は健やかにならんのだ」

読み終わった時に、じんわりと涙が浮かんでしまう。切々と語られる物語は、決して派手ではないけれど、胸をうつものがありました。切なくも幸せだったと思いたい。→ 感想