久住四季

七花、時跳び! Time-Travel at the After School

「違います!昨日です!」 「いや昨日の話はもういいって」 「そうじゃなくて!」 僕が眉を、ひそめていると七花はじれったそうに首を振った後、胸を押さえ、こう言った。 「わたし、たった今『昨日』から帰ってきたんです!」 突如タイムトラベルが出来るよ…

鷲見ヶ原うぐいすの論証

論理が通じない不可能状況。 犯人がもう一人いなければ成立しないはずの現実。 ふと、僕はそれを考えてしまった。 もしかして本当にいるのか。この麒麟館には。 ― 悪魔が。 京極堂を彷彿させるやり取りと、「素質者」を利用しながらロジカルなミステリーを見…

ミステリクロノ(3)

自分は天使だから。だから求めちゃいけない。仲良くしちゃいけない。それをわかっていなかった。だから苦しむことになった。 そう思っていた。 だが、人間もそうだと巨漢の男は言う。事実、彼らの会社は倒産し、一緒にいた人間たちもばらばらになってしまっ…

ミステリクロノ2

「……あのさ、ちょっといい?」 まさかな、と思いつつ、慧は口を挟んだ。 「なんだ?」 「うん。まあ違ったら恥ずかしいからスルーしてほしいんだけど。秋永くん。君、もしかして記憶喪失になってるなんてことない?」 うーん、なんか、事件をなぞってるだけ…

ミステリクロノ

「やあ武臣、ナイスタイミング」 「何がだ」 武臣に、慧は笑って言った。 「僕はこれから、一時間前の状態に戻ろうと思う」 「時」を利用したミステリーになっていくのかな。今回は利用されてませんでしたが、今後は絡めてくるだろうから楽しみでなりません…

トリックスターズC PART2

「手がかり?な、なんですそれは」 「この事件、現場の選択に、ある法則が存在すると考えられます」 一気に場がざわめいた。みな、困惑に眉根をよせながら、彼の話に耳を傾ける。 ぼくは内心で舌を打った。 気づかれていたのか。やはり甘い相手ではない。 期…

トリックスターズC PART1

白い紙には、直線的な文字で 『願いシートは頂いた 魔術師アレイスター・クロウリー』 そう書かれていた。 「『魔術師からの挑戦状』か。そんなもん出されたら、魔術師のあたしが受けてたたなくちゃならんだろうな」 先生は、にい、とまるで悪魔のように微笑…

トリックスターズ M

ここまで計算ずくだったのか……。 「どうだ、勉強になるだろう」ふふんと鼻を鳴らし先生。 「覚えとけ。真のトリックスターって奴は、こうやって一番おいしいところで現れて、一番おいしいところをかっさらうものなんだ」 小粒だけどピリリときます → 感想

トリックスターズD

本作には『トリックスターズ』『トリックスターズL』の二作を読了した後にこそ真の面白味を味わえる、ある仕掛けが施されています。 それでは、本作『トリックスターズD』を、どうぞ最後のページまでゆっくりとご堪能くださいませ…… 更なる飛躍を見えるトリ…

トリックスターズ

かつて数多くいた魔術師たち - トリックスターズ - だが、現在は世界に六人しかいないといわれている。 そのうちのひとり、佐杏冴菜が魔学の教師として日本にやってくる。 それを聞いた僕は医学部から魔学部へ志望を変えた。 佐杏冴菜と出会ったその日。 新…