田中ロミオ

人類は衰退しました(6)

調査を行った結果、全三十二チーム中、乗員が競技中に墜落死するおそれのあるチーム……二十五。乗員が行方不明になるおそれのあるチーム……七。 嫌な予感しかしません。 やっぱり妖精さんたちは可愛いなーと思いつつ、巻き込まれると大変なことになることを思…

人類は衰退しました(5)

「お久しぶりですねぇ」 「いつもいっしょですが?」 わたしはおかしくなって、声を出して笑いました。 「そんな気はしませんでした」 「まだ、さびしい?」 「いいえ」わたしの答えは決まっていました。「頭の中で、いつでもお茶会が開かれているようなもの…

人類は衰退しました 4

「じゃあこうしましょう。わたしが勝手に経営陣に会いに行く。局長はそれを知らない」 「……む」 「いかがです?」 「……言うまでもなく、キミの行動のすべてを私が予知できるわけではないからね。昔の政治家もよく言っていただろう。すべて秘書がやった、と」…

AURA 魔竜院光牙最後の戦い

「わかるよ。くっだらねーよなぁ。学校とかほんとくだらねーわ。いいこともあるけど……悪いことはその数倍もあるよ。けど、考えてみろよ。この魔法も魔物もない世界には、敵だけはいてくれる。闘い放題だろ。……まあ、見えない敵ばっかりだけどな」 「……無理だ…

人類は衰退しました 3

「あなたは!えーと……お、お……おやげ?」 「誰だよ、ちげーよ!」 「こっちだってぴおねなどという名前ではないであります!」 「じゃあなんだ!」 「む……故あって、今はP子と呼ばれているであります!そちらこそ、名乗りなさい!」 「俺は……俺は……名前とか…

人類は衰退しました 2

「ぴーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!?」 鳥においしく食べられるのはイヤですーーーー! 死ぬほどもがいてクチバシを脱し、脱兎のごとく逃走しました。 「にんげんですからー!にんげんですからー!」 「餌。餌。餌。餌。餌」 ああ、鳥の言…

人類は衰退しました

「さあ皆さん、早く逃げないと本当に神様にされちゃいますよ」 周辺の妖精さんたちが、ビクリと身を震わせました。 「なかたさんもどうします?このままだと神様ですよ?」 「え、あ、えー……」周囲を見渡して「かみさまやーだーーーっ!」 この雰囲気、大好…