鈴木鈴

白山さんと黒い鞄(4)

「どういうことですか!?衡くんの、だ、だっ、旦那さまって!」 「そのままの意味でございますよ、白山さま。衡さまは、わたくしの旦那さま。わたくしは衡さまの妻。生涯の伴侶として、死が二人を分かつまで、ずっと添い遂げたい―」 「だっ、だだだだだだだめ…

白山さんと黒い鞄(3)

「白山さん、」 「お願いだから」 衡の言葉を遮って、白山さんは真摯に見つめながら、口を開く。 「情けないなんて、なにもできないなんて、そんなことは言わないで。衡くんは、衡くんにだけは、そんなこと、言ってほしくない。だって、だってね、衡くん、わ…

白山さんと黒い鞄(2)

「あのね、わたしも同じなの。衡くんが、青嵐さんでも遠咲先輩でも、他の人と、― しているのを想像すると、とても、とっても嫌な気持ちになるの。だからね」 ぎゅっと、祈るように両手を固め合わせて。 「だから、こうするしか、ないの」 そう囁いてから、白…

白山さんと黒い鞄

「なんで、おれの力を借りようと思ったの?や、ほら。もっと頼りになる人がいくらでもいると思ったんだけど」 「平沢、くんが」 顔が赤くなっていく。重大な告白をするかのように、長い長い時間を逡巡に費やしてから、白山さんはようやく答えてくれた。 「わ…

あんでっど★ばにすた!

「だから、たとえばさ ― こう、すぐに胸倉つかんじゃうような女の子と、手をつかんじゃうような女の子だったら、男の子はどっちのほうが好きかな?」 言ってて絶望的な気分になってきた冬子に、黒島は確かめるように 「……それ、わざわざ私が答えなきゃいけな…

サンダーガール!3 闇ノ宮

「私が、がっかり?どうしてですか?」 「だって、神野さんは、あなたの一番大事な友達なのでしょう?私なんかが帰ってくるよりも、彼女が帰ってきたほうが、楠木さんもずっと―」 「友達に一番も二番もありません。メイさんが大事とか、瀬川さんが大事とかで…

サンダーガール!2 牙ノ鳥

面白いんだから、もう少し速いペースで出版されてくれれば… → 感想

サンダーガール!

父の転勤で引越しをすることになったメイ。そこで偶然「天魂」に取り 付かれ「依巫」となってしまった。 町の人すべてが「天魂」や「依巫」を知っているが、それは尊敬と恐れ が混ざった感情。 引越し先でできた友人を失うことを恐れたメイは「天魂」を拒絶…