<本の姫>は謳う 2

「あと半年早くここに来ていたら、デイジーさんもジミーの記憶も救えていたかもしれないのに」
そんなアンガスに向かい、姫は言った。
「来たのが今ではなく一年後だったら?あの親子は忘れ病に感染し、死んでいただろう」
彼女は閉ざされた扉を見て、再びアンガスに目を戻した。
「でも私たちは今ここにいる。あの親子を救うことができる。私たちは間に合ったのだ。違うか?」
「……」
「失ったものを憂うよりも、まだ救えるもののことを考えろ」

だんだんとふたつの話に繋がりが見え始めてきましたね。続きがホント楽しみ。→ 感想