多崎礼

夢の上(3) 光輝晶・闇輝晶

ああ、夢は、どうしてこんなに美しいのだろう。 叶わないとわかっていても、こんなにも心を掴んで離さないのだろう。 読み終わったときの感動をどう言えばいいんだろう。巡り巡った物語が、戻ってきたとき、ゾクッとなった。もう、本当によかった!→ 感想

夢の上(2) 紅輝晶・黄輝晶

「復讐に身を焦がす貴方は壮絶なまでに美しかった」 本当に素晴らしい。一度物語りに入り込んだら戻ってきたくない、そんな思いになるほどのめり込みました。前作で語られた「翠輝晶」「蒼輝晶」ともリンクしながら、語られる物語に魅了されっぱなしでした。…

夢の上(1) 翠輝晶・蒼輝晶

「じゃ、最後に一言だけ。ケナファ騎士団の副団長としてではなく、貴方の友人として言わせて貰います」 俺は夢なんか見ない。だから 「イズガータ、俺を失望させるなよ?」 鮮輝晶に封じられた夢を、己が見た夢として再現する「夢利き」が、夜の王に夢の物語…

<本の姫>は謳う 4

この世界はどこに向かっている?絶望か?破滅か?それとも希望の未来に繋がっていくのか? そんなこと、誰にもわからない。 未来のことなど誰にもわからない。 だからこそ希望が生まれる。だからこそ人は、今、この時を生きていく。 そうだろう ― アザゼル?…

<本の姫>は謳う 3

「ただ忘れないで欲しいですの。私がここにいること。みんなが傍にいることを」 「……」 「明日のことは私にはわかりません。明日のそのまた明日のことなんて、もっとわかりません。でも今ここにいる私は、仲間たちは、たしかにここにいるのです。それだけは…

<本の姫>は謳う 2

「あと半年早くここに来ていたら、デイジーさんもジミーの記憶も救えていたかもしれないのに」 そんなアンガスに向かい、姫は言った。 「来たのが今ではなく一年後だったら?あの親子は忘れ病に感染し、死んでいただろう」 彼女は閉ざされた扉を見て、再びア…

<本の姫>は謳う 1

「あんなに殴られて、蹴られて、それでも反撃もせずにボロボロにされて――なのにニコニコ笑っている。本当に情けない男だ、お前は」 そして、小さな声で続けた。 「でも、何度蹴られても立ち上がったお前は――少ぅしだけ、格好良かった」 素晴らしい。読めば読…

煌夜祭

煌夜祭では、世界各地の出来事や先人たちの貴重な智慧が、一夜にして語られる。死海に隔てられし十八諸島において、その物語は金に等しい。ゆえに島主は貴重な話、面白い話、役立つ話をした語り部たちに褒美を出す。 けれど、煌夜祭の真の目的は他にある。 …