悪夢の棲む家 (下) ゴースト・ハント

「……でも、だって」
「麻衣、依頼者は誰だ?」
はっと麻衣は言葉に詰まる。
「守るべき人間を間違えるな。お前はプロだろう」

ナルによって見えてきた悲劇。ああ、これが悪夢なのか。慈愛と忿怒が絡み合う狂気が遣りきれない。いったんは解決したかに見えたあと、なぞらえるように始まる惨劇にゾクっとした。でも怖さよりも、それ以上のやりきれなさをみせたもう一つの悪夢に、涙せずにいられない。→ 感想