ガーデン・ロスト

「はじめて思った。ちゃんと、あたしのことちゃんと、好きになって欲しい」
そこまでいって、音が立つように首を落とした。ぜんまいの切れてしまった人形のようで、頼りない動きに、呟く言葉も心細かった。
「でも、―怖い」

かわいくて、お人好して、格好よくて、厳しくて。放送部に集う四人の少女が見せるそれぞれの物語は、とても苦しくなるけれど、それは変わっていくことへの不安なんだよなあ。ずるい甘えを見せながら、心の痛みを堪えて、でも温かさを求めていく。そんな硬質な甘さがステキだった。涙を流さずにいられない。→ 感想