カラクリ荘の異人たち(4) 〜春来るあやかし〜

「妖怪は、人間が怖くはないんですか?」
「そうだね。怖くないと言ったら嘘になる。でもアタシらは、人間とはずっとこういう関係でやってきたんだ。たしかに、人間とつきあうには覚悟がいる。でも、いったんこうと覚悟を決めちまえば、たいしたことじゃないさ。アタシらはにーさんとは違うモノだ。だけどさ、違うってことがそんなに悪いことかねえ?」

クラスメイトを通じて、自分の心の傷に気づいていくという展開が素晴らしかった。人間と妖怪と。近くて遠い存在が見せる関係の深さにじんわりでした。和泉の頑張りも可愛くて、にこにこ。これで最後とは寂しいですが、満足です。→ 感想