今朝の春 ― みをつくし料理帖

「勝負事ってのは厄介でねぇ、どれほど努力したとか精進したとか言っても負ければそれまで。勝負に出る以上は勝たなきゃいけない。そう思うのが当たり前ですよ」
ただ、と、りうは言葉を切った。
「勝ちたい一心で精進を重ねるのと、無心に精進を重ねた結果、勝ちを手に入れるのとでは、『精進』の意味が大分と違う用に思いますねぇ」

素晴らしかった。出てくる料理と人情に、心が大満足。詮索しないと心に決めながら、気になってしまう恋心が切ない。なまじ理解してくれる人がいるから……母の言葉が温かく、それだけに身分の違いが苦しい。揺れる思いは随所にあったけれど、そんな中、周囲にいる人ご贔屓の人などが、どれほどの支えになってくれたか。料理とは精進したときの心で美味しくなるものなのだと思いました。最後にちゃんと自分の心を見つめて、思い続ける決意をしてくれて嬉しかったです。それにしても戯曲家はかわいいな。→ 感想