獣の奏者 外伝 刹那

「わたしは……生まれてこなければよかったなんて、思わない。たとえ、生まれる前から、こんな人生を生きるのだと知っていたとしても」
すすりあげるように、息をふるわせていた。
「あなたは、自分の生に、後悔しかないの……?」

短篇集。どのお話も、ちょっぴり切ないこともあったけれど、読み終わると温かさが残る、そんな物語でした。とても良いものを読んだ気分でいっぱい。本編では描かれなかったイアル視点による物語も良かったけれど、エサルがこの世界に足を踏み入れるきっかけとなった研究と恋が描かれる「秘め事」が、とても印象的でした。→ 感想