みかづき紅月

放課後トゥーランドット

僕は必死に笑いをかみ殺しながら、会長に背中を向けたまま言ってみた。 「ぶっちゃけ、本当は結構楽しかっただろ?」 「……さあ、どうかしら?」 ツンツンだけどプライドを刺激するとノッてくる会長がかわいいな。ひとつの舞台をみんなで作り上げていく展開が…

凸凹騎士と最強王女

「あーら、私は貴女に親しみを込めて愛称で呼んでいるのにひどいわー。ぺたんこちゃんじゃ不服なのかしら。じゃあ、ぺたちゃんにしましょうか?こっちのほうがなんだか犬猫みたいでかわいいじゃない?」 「あ、あれが愛称ですって!からかって楽しんでるだけ…

おまもりひまり(1) 浪漫ちっくメモリー

「優人は、望むものを手に入れることができたえ?」 「うん……。ありがとう。たくさん、色々思い出せて……」 「そう、ならよかったえ。わらわは……いや、木というものは、望むものを与えたいと思うもんえ。少しは優人のお役に立てたならこんなにもうれしいこと…

サムライエイジ

「おいおい、入学戦の時、あんな派手な技使っておいて、自分の力自覚してねえとか言わさねえぜ?しかも、刀を抜かずしてだ。ありえねえ……」 「でも、あれくらいそんな珍しいものでもないかと。そもそも初歩の必殺剣ですし」 「あのなぁ!必殺剣なんて使える…

ぶよぶよカルテット

「真の音楽家は自己の芸術に従うべきであり、自分の勇気を自分の中から引き出すべきである。これは私が一番好きなサティの言葉。他人の目、気にしてる暇があったら、自分を見つめて一歩でも目標への距離を縮める。ただそれだけよ」

サムライガール 決戦はパリで!

ありがとうという言葉は本当によいな。 口にするだけで、なんだか幸せな気持ちになる。 いっぱいのありがとうを口癖のようにして、殿の耳にタコができるぐらい、ずっとずっと言いつづけていこうと思う。 もう聞き飽きたなんて言わずに、ずっとずっと聞いてほ…

銀狼王女 Werewolf Princess

「わ、わらわと話したいのか?どうしても?」 「ああ。どうしても……」 和樹のその言葉をドア越しに聞いた途端、ここのところうなだれてばかりいた尻尾が急に力を取り戻した。 「……ほ、本当にどうしても話したいなら、五分くらいは話してやらなくもないが」 …