ブランドン・サンダースン

ミストクローク 霧の羽衣(3) 永遠の大地

「信念ってのは、まわりで何が起ころうと関係ない。誰かが見まもってくれるってことを人は信じられる。誰かがうまくいくようにしてくれるって信じられる」 セイズドは眉をひそめた。 「つまり、いつだって手段はあるってことだ」 緊迫した序盤から始まり、さ…

ミストクローク 霧の羽衣(2) 古からの声

「どうしてケルシャーが支配王を倒したみたいに、おれたちもただ同志市民の支配をひっくり返してはいけない?」 「それでうまくいくとは思いがたいね」 「どうして?」 「とても単純な理由からだよ、親愛なる坊や。われわれにはもはや、ケルシャーがいない」…

ミストクローク 霧の羽衣(1) 新たな救い手

?口に出すことには気をつけよ……安全であるのは頭の中で考えたことだけだ? この謎を突き止めないといけない。あたしたちがみつけたものを全部あわせてみて、あたしが解きはなったあれを倒す――または出し抜く――手段をみつけないといけない。 そしてあたしは、…

ミストスピリット 霧のうつし身(3) 秘められし言葉

「今は理解できるように思う、ヴィン。きみがどんなふうに思ってきたのか。ある意味で、わたしたちはどちらもナイフだ。どちらも武器だ。お互いのためにではなく、この王国のために。人々のために」 一気読みするしかなかった。三すくみ状態が崩れてから、い…

ミストスピリット 霧のうつし身(2) 試されし王

「ご主人さま?」とオレ=スールが尋ねた。「なにか問題でも?」 ヴィンはかすかに口を開きかけ、小首をかしげた。 「<深き闇>がなんなのか、たった今わかったような気がする」 まさに副題通り!エレンドの成長っぷりには、わくわくドキドキでした。周囲が…

ミストスピリット 霧のうつし身(1) 遺されし力

「なら、なんだ?何が人をよい王に変えるとあなたは思うんだね、テリス族のティンドウィル?」 「信頼」とティンドウィルは彼の目を見ながらいった。 「よい王というのは臣民に信頼されている者のこと、そしてその信頼にふさわしい者のこと」 面白かったー。…

ミストボーン 霧の落とし子(3) 白き海の踊り手

「わたしはおまえを一度殺した」 「殺そうとしただけだ」とケルシャーが答える。 「だが、おれを殺すことはできない、圧政王よ。おれはおまえが決して殺すことのできないものを象徴している。どんなに懸命にやってみようともな。おれは希望だ」 まさに一気読…

ミストボーン 霧の落とし子 (2) 赤き血の太陽

「おれたちがやろうとしてることにさえ、ときどき驚かされずにはいられない。連中がおれたちにやってきたああいう仕打ちのために―死、拷問、苦痛―おれたちは希望や愛といったもんをただあきらめちまうと思うだろ。だが、そうじゃない。スカーはそれでも愛し…

ミストボーン 霧の落とし子 (1) 灰色の帝国

「いっしょに残ることにする」彼女はいった。「でも、あんたを信用するからじゃないよ」 ケルシャーが眉をぴくりとつり上げる。「なら、どうして?」 ヴィンは肩をすくめ、そうして口を開いたときには、心の底から正直にいっているようだった。 「これから何…