夏緑

ぷいぷい! 11

「思っているも思っていないも、ランプの所有者がわたしなのだから、わたしが主人に決まっているだろうが!ランプの魔神が召喚者に逆らうなど、ルール違反ではないか!」 「ルールですって?わたしはセレブよ、自分がルールよ。仮にわたしが誰かを主人とする…

ぷいぷい! 10

「べ、別にアルフが活躍してるから、それに負けたくないとかじゃないんだから、庶民のくせに思い上がらないでよねっ!わたしはただ、セレブの美学を侮辱したラスマンに負けたくないだけなんだからねっ!」 薀蓄ネタばかりかと思ったら、ちょっとシリアス風味…

ぷいぷい! 9

「わたしに言えないようなことなの?」 「だから、たいしたことじゃないって」 何か悩みがありそうだから、このわたしがわざわざ聞いてあげようというのに言わないなんて、無礼にもほどがあると思わないの?」 「座堂。ふつう他人の悩みを聞いてやろうという…

ぷいぷい! 8

「だって……座堂先輩、新木先輩のことを好きですよね?」 「えっ」 シエラの顔が、ぽっと赤くなる 「ままままままままさか!ちちちちちちち違うでごさるわよっ?」 「混乱すると語尾が乱れるクセ、どうにかなりまえせんかね……?」 「と、とりあえず百歩ゆずっ…

くろかの

「ばっ、万有引力を俺は見た!引力の大きさは質量に比例し、距離の二乗に反比例する!ああ、だからあの大きな胸の強力な引力に引き寄せられるのか!」 「そして……彼女に近寄れば近寄るほど、ますます引き寄せられるというわけだ!恐るべし重力加速度、おれた…

ぷいぷい! 7

「ほらランプ!これからもわたしの力が必要になるわけなんだから、二度と手放したりしないことねっ!でなきゃ、他の人の魔神になっても知らないんだから……宇多田くんの魔神になっちゃったって知らないんだからねっ!」 「いやいや、夕也の魔神はやめとけ。い…

ぷいぷい! 6

「そっその……っ!フランスの幼馴染みの話は……ガセネタだから!」 「え?」 急にシエラが何を言い出したのか……と、陣はきょとんとして、瞬きをする。シエラは火を噴くほど真っ赤な顔をして、起こった顔で、相変わらず鈍感な陣を見上げた。 「だから……っ、初恋…

戦姫 3 少年は荒野に立つ

「血は混じりに混じる?」 はっ、と静矢は目を見張る。 「いや……それは違う。血が混じらない場合がある!そうか……それが、日本だけが敵性少女に攻撃を受けた理由だったんだ!」 最後がきれいな終わり方でした。 → 感想

ぷいぷい! 5

「やっぱり、男子の気持ちは男子の意見を聞くのが参考になるわね。庶民が来てくれて、ほんとによかった。毒呂さんの力になってくれて……ありがと、ね」 シエラがそんなふうにすなおな態度を取ることは珍しくて、陣は、胸がドキッとした。 (な、何だ、こいつ…

ぷいぷい! 4

「どうした、今日はおかしいぞ?いや、いつもとは別ベクトルでという意味だが」 「いちいち念押ししなくていいわよ!」 シエラは陣にむかって、火を吹く勢いでかみついた。と……陣が、ふわっとほほえむ。 「うん、いつもどおり元気だな。良かった」 シエラは…

戦姫 2 侵略の多国籍軍

「離れていろ、考えがある」 「な、何を言ってるんだ?何をする気だ……」 「離れていろというのだ、おまえは生きねばならん。輪人に伝えるために……わたしは生きのびたと」 もう少し、他視点が深ければ傑作なんだけど。面白いだけにもったいない。 → 感想

ぷいぷい 3!

「ちゃんとランプを肌身離さず持ち運んでいるようで安心したわ、いちおう言うことを聞いたのね。あなたもやっと、わたしの命令が理解できるようになってきたようね」 「どうも歳のせいか、俺は最近、記憶力が悪くなったようだ。どっちがランプの魔神で、どっ…

戦姫 1 天翔ける月天使

空が落ちてきたのかと思った。プラズマ球がドカドカと降って来る。見たこともない光景に、静矢の思考は停止し、足はすくんだ。 「い、いったい何なんだ?」 「テロだ!警察、自衛隊!」 「助けて、誰か助けて!」 心奈はその流れに巻き込まれ、飲み込まれて…

ぷいぷい 2!

「魔法のランプをこすって、わたしを呼べばよかったのに」 「途中をはしょって霊柩車を呼んだほうが手っ取り早そうだな」 「じゃあ見捨てて帰ろうかしら」 あっさりと、シエラは陣に背を向ける。陣はあわて、弱った力を振り絞って、シエラを引きとめようと手…

ぷいぷい!

「俺が満足させてどうすんだよ!ランプの魔神レベルを上げたいって言ったのは、自分だろ!」 「あ、そ、そうだったわね。つい、いつものクセで……」 「おまえ、すごいご主人様オーラだよな。っていうか、魔神様か。そんなんで、ほんとに召使いなんてできるの…