来楽零

Xトーク

「それじゃあ、用意してきたお話を一人ずつ語っていきましょうか」 管理人とおぼしき女性が言った。 「あの、その前に自己紹介は……」 おそるおそる訊くと、彼女は艶やかに微笑んだ。 「話をすることが、私たちにとって何よりの自己紹介でしょう?」 彼女は私…

ロミオの災難

勘違いするな。 自分に言い聞かせる。僕が愛されてるんじゃない。公演が終われば泡みたいに消えてしまう思いだ。みんなそれに振り回されているだけ。 みんな? 偽者の中から本物を探すのは、どうやったらいいんだろう。 台本の呪いによって、キャストが全員…

哀しみキメラ?

『君たちにも会いたくないな』 「そうかよ」 『もし会えば、君は俺を殺すよ』 哀しみに溢れながらも、最後は前を向いた最終巻でした。ほんと良かったです。→ 感想

哀しみキメラⅢ

「あのさ!」 勇輝は大きな声を上げた。 「俺結局ほとんど何の役にも立たなかったし、むしろ迷惑かけたけど。それでも、俺、あんたたちと一緒に戦えてよかった。すっごい経験だった」 勇輝の目が微かにうるむ。 「あんたたちは、俺の勇者だよ」 こうきたか!…

哀しみキメラⅡ

「綾佳、十文字のこと好きだったのか」 綾佳は少し視線を伏せて、ごく普通の、何気ない会話のときの声音で答えた。 「好きだったわよ。でも、恋してたのかって意味なら……違うわ」 そうか、とつぶやいた。あいつの方はどうだったのだろうと、今さら意味のない…

哀しみキメラ

サスペンスと人間ドラマと → 感想