樹戸英斗
「ここにいるみんなが、あの夜の砂浜のあなたになる可能性があった。あなたのクラスメイトだってそうよ。わたしたちがすべての魔法書を回収するまで、この町に暮らす人たちはいつ危険にさらされるか知れない。でも、少なくともいまこの街路にいる人たちは無…
「この痛みにだって、覚悟があるから耐えられる。おまえが示してくれて、俺が選んだ道だ。辛くたって、最後まで歩みきってみせる」 夏季は鼻を鳴らした。どうやら笑っているらしい。 「笑わなくたっていいだろ?」 「べっつに。馬鹿にしてるわけじゃないよ」…
「大学だってあるし、その先だってある。野球ができる球場やグラウンドは、それこそいくらでもある。急ぐ必要はないよ。少しずつ治していけばいいさ。いまだって、草野球程度なら一塁手くらいこなせるだろ?おまえは上を見すぎてるんだよ。肩を壊したのはい…