デイヴィッド・エディングス
「それじゃ、もし……」セ・ネドラは後を続けることができなかった。 「もしガリオンが負けたら」ポルガラの声は非常に落ち着いていた。すでにこれまで何回となく彼女がこの可能性について考えていたことはあきらかだった。 「そのときはトラクがわたしを花嫁…
「二人で水浴びしたときに、わたしにキスしたいってあなたに聞いたこと覚えてる?」 ガリオンはもはやしゃべることもできず、黙ってうなずくばかりだった。 「まだあのときのキスをわたしはもらってないわ」彼女は茶目っ気たっぷりに言うと、立ち上がって、…
「おまえとまじめな話をしようとしたおれが馬鹿だった。シルク、おまえ自分で気づいているか?おまえにかかっちゃどんな賢い発言もジョークになっちゃうんだよ」 「誰だって多少の欠点は持ってるもんさ」 予言により集まった人たちの会話って、ほんと面白い…
(やったわ!) ポルおばさんの声が聞こえた。(怨みは晴らされたのよ!) 次いで、舞いあがるような歓喜の声が、かれの頭のほら穴のなかで高らかにこだました。 (ベルガリオン!わたしのベルガリオン!) 一巻を読んだあとのゐんどさんの予言が的中。 >『…
「これはおまえ自身の問題だ、ガリオン」ミスター・ウルフは言った。「そのために人を悲しませるのが正しいことだと思うかね?」 「ううん」かろうじて聞こえる程度の声でガリオンは認めた。 「おばさんもわしも見かけどおりの人間だ」ウルフは静かに言った…