清野静

時載りリンネ! 5.明日のスケッチ

「ね、お姉ちゃん、私、ひとつおねがいがあるの」 「なあに?」 「今度、時砕きのぼうけんのおはなしをして」 リンネは破顔した。それが、会心の笑みであることをぼくは知っていた。 「いいわ、じゃあ今度、しおりちゃんがびっくりするようなとっておきのお…

時載りリンネ! 4.とっておきの日々

「流れ星を止める、だぁ?」 「うん」 「そんなことが可能なのか?」 「……って、リンネはやる気まんまんだけど」 され竜のあとに読むと、なんとさわやかなことか。リンネのおしゃまさや脇役のGや凪も満喫できて、すっごいよかったです。 → 感想

時載りリンネ! 3.ささやきのクローゼット

「今日はとっても楽しかったわ。また遊びに来てね」 「もちろんよ。ぜったいに来るわっ!!そしてまた、いっぱいお話しましょうね」 「う、うん。楽しみにしてる」 「やくそくね」 リンネとネリーは照れくさそうに、だが真剣な顔つきで指切りをした。 何かが…

時載りリンネ!2.時のゆりかご

「私がこれを手に入れたいと思ったのは、この書棚の貴重さを知り、その価値を惜しんだからだけど、実は今回の出来事を通じて、何より、思いもかけないものも一緒に手に入れたわ。それはね、とっても心の優しいお友達ができたこと」 リンネははっと顔を上げた…

時載りリンネ!(1) はじまりの本

「それは、あなたがこれを受け取るべくして受け取ったから。『なぜ』はないの。安心して堂々と胸をはっていなさい」 「胸をはるの?」 「そう。いつも心の中に風を吹かせるの。何か素敵なことが起こったとき、心を響かせられるようにね。女の子はいつも颯爽…