米澤穂信

折れた竜骨

「たとえば、騎士が馬を下りた後、当然のように馬の世話をするように。修道士が鐘の音を聞き、当然に礼拝堂で祈りを捧げるように。農夫が秋を迎え、当然に実りを穫り入れるように。<強いられた心情>の犠牲者である<走狐>は、自分の役割として、己の知識…

ふたりの距離の概算

俺は大日向が何に喜び何に傷ついてきたのか、ほとんど興味を持ってこなかった。それは人を軽視したということだ。いまからでもその取り返しがつくだろうか。この二〇キロの間に?ただ走るには長すぎる。しかし人を理解するのに十分な距離かどうかはわからな…

秋期限定栗きんとん事件(下)

「なあ常悟朗。俺は思うんだが、お前は結局、小市民じゃないんだよ」 放火事件を追うドキドキと、小佐内さんと小鳩くんの恋模様の結末。ラストの一言に激しく納得した一作でした。→ 感想

秋期限定栗きんとん事件(上)

「じゃあ、やっぱり別れたんだ」 「うん、別れたよ」 にこにこして、そう答える。すると女子生徒は、なにやら小さくこぶしを固めた。いったい、それが彼女と何の関係があるのか、いっこうにわからない。と、思考に入ろうとしたところ、彼女は、お昼の献立を…

遠まわりする雛

「見てください、折木さん。ここがわたしの場所です。どうです、水と土しかありません。人々もだんだん、老い疲れて きています。山々は整然と植林されていますが、商品価値としてはどうでしょう?わたしはここを、最高に美しいとは思いません。可能性に満ち…

インシテミル

「では、最後に、警告をいたします。 この先では、不穏当かつ非論理的な出来事が発生し得ます。 それでも良いという方のみ、この先にお進みください。 そうでない場合は、立ち去ることをおすすめします。」 そして一言、付け加える。 「……もっとも、それらの…

ボトルネック

言わないのは、言いたくないからに他ならない。 嵯峨野サキは陽性で、その明るさはきっと多くのひとを助けてきたのだろう。それはわかる。だけど、まあ。 日の光を浴びたくないときもある。 文句なしに米澤穂信最高傑作! → 感想

夏期限定トロピカルパフェ事件

「でも、わたし、小鳩くんの言葉にとっても傷ついたの……。だから、許してくれるよね?」 「そりゃもう」 「よかった」 柔らかに笑う。ははは。白々しい。小山内さんがあのぐらいで傷つくものか。小山内さんが傷つくというのは、もっと、その。……大変なことな…

犬はどこだ

文句無しに著者の最高傑作!→ 感想

さよなら妖精

鋭すぎるラスト 感想: http://www.booklines.net/archives/4488017037.php

春期限定 いちごタルト事件

目標「小市民たれ!」な物語 感想: http://www.booklines.net/archives/4488451012.php

クドリャフカの順番 ―「十文字」事件

爆笑の文化祭 感想: http://www.booklines.net/archives/4048736183.php

愚者のエンドロール

こんな先輩がいたら惚れるね。 感想: http://www.booklines.net/archives/404427102X.php

氷菓

十年後、はたしてぼくは…… 感想: http://www.booklines.net/archives/4044271011.php