高野和

七姫物語 第六章 ひとつの理想

「私は永年、永年、上を見ていたいと思っています。高くて遠くに憧れます。理想が遠くにあるから、そのために頑張ってきました。多分、近くにあっても、理想は遠いんです」 思い描く夢も理想も、何時だって、遙かに遠い。 「まだ背伸びをして手を伸ばしてい…

七姫物語 第五章 東和の模様

「ようやく、私にも七宮の形が見えて参りました。貴女のそんな顔が見たくて、あの二人は貴女を担いでいるのでしょうね」 何だか知らないけど笑われた。どこへ行っても私は笑われるらしい。 困ったなという気持ちと、それでもいいかと思う気持ちが半分ずつ。 …

七姫物語 第四章 夏草話

「私、割と好きなんですよ。あの役」 「私もです。黒曜姫殿下も空澄姫も、私も好きなんです」 「困りますよ。ここから先」 「でも、私はまだ先が見たいんです。いつか、まだお会いしていない姫達とお会いしたいと思います。そして、何よりも」 彼女と向かい…

七姫物語 第三章 姫影交差

旧四宮ツヅミを手に入れた七宮カセン。 それを許さぬ旧四宮と同盟を組んでいた三宮ナツメ。 共に平和を望みながら、民を思いながら、刃を握る。 だが、ツヅミはそれを許さなかった・・・。 前作までが七宮の空澄姫物語だとすれば、今作からいよいよ七姫物語…

七姫物語 第二章 世界のかたち

前作で幕を下ろした四宮の姫との争い。その後、状況が悪化したため城下町で、下町の娘として過ごす七姫。 主役である三人のうち、「将軍」「軍師」が行方不明の中、多くの人と触れ合ったことによる七姫の成長。 三人のからみが少ないのでちょっと物足りない…

七姫物語

題名のとおり、七つの都市がある世界。もともとは六つの都市しかなかったが、ある日、「将軍」「軍師」が拾ってきた孤児を先王の隠し子である「姫」として担ぎ上げ、都市を作ってしまう。 「三人で天下を取ろう」 そんな国を奪うストーリィではあるが、キャ…