内山靖二郎

もふもふっ珠枝さま!

「い、いやですよぉ。好きって、そういう意味じゃなくて。お友達として一緒にいると安心するなぁって」 「な、なんだ、そういう意味か。ならいいのだ」 ゴホンゴホンと不自然な咳払いをしながら、珠枝は目をそらす。 「紛らわしいこといわないでよ、ホントに…

クダンの話をしましょうか 2

「いまからでも仲直りできるかな?」 「うん、できるよ」 「友達のままでいてくれる?」 「うん、ずっと友達だよ」 その言葉に、この前のようなぎこちなさはなかった。 「これだけで……たったこれだけで良かったのに……」 前作同様切ない物語でしたが、それ以…

クダンの話をしましょうか

「なにをする気なの、クダン!」 「あなたの未来に災いが見える」 「やめてよ、あなたのインチキ予言なんて聞きたくない!」 ヌエは両耳をふさいで、首を左右に振った。 「大丈夫、人一人の災いを予言したって私は死んだりはしない。ただ、あなたの世界から…

神様のおきにいり 4 ねこまたの巻

「みんなに忘れられても、ここに在り続けることはできる。ただ、人にとって無いに等しいというだけ。存在は消えたりしない」 「それは寂しくはないんですか?」 「もちろん、寂しくないはずはない。だから、あなたはいつまでも忘れないでね」 ねこまたはあま…

神様のおきにいり 3 ぬれおんなの巻

「おまえたちをすべて受け入れられるほど、俺はでっかい奴じゃないみたいだ」 「稲村様、そんなことができるほど大きなモノは、この海ぐらいなものです」 智弘は思わず笑ってしまった。だとしたら、自分にはとても無理な話だ。 この相手は、あまりに大きすぎ…

神様のおきにいり 2 びしゃがつくの巻

「……なにをしておる?」 「な、なにって、頭を撫でてるんだけど」 「馬鹿者……こういうときはもっと気の利いたことをするものだ」 「気の利いたって、どんなことだよ?」 「なっ、ワシの口から言わせる気か!?この罰当たりめ!」 もふもふ好きなら読んで損な…

神様のおきにいり

「あんまり外に出るなよ。誰かに見られたらどうするんだ」 「親戚の子だとでも言っておけばよいだろう」 「最初から見つからないように心がけろよ」 「心がけているつもりだが、このあたりも家が多くなってきたからな。誰かの目にとまってしまうのはしかたの…