栗本薫
(そうなる前に……何も告白などできなくても、せめてあたしの心が勝手にあのかたをお慕いしているくらいは……ゆるしてやりたい……) マリウスの優しい微笑み。 その、甘い、忘れがたい声。 それは、イシュヴァーンを愛し、その愛に失敗して、自らのいのちを絶と…
いつもこれまでは、まようときには、グインはおのれの内なる声に耳をすませ、その声に従う、というのを信条にしてきたものだ。 だが、いまその声は、どこにいて、何を告げているのかもよくわからない。あまりにも、タイスの快楽と血なまぐさい刺激好みの喧騒…
「まあ、そういうときには、船乗りの教えに従うしかないかもしれませんね」 「船乗りの教え。それはどんなものだ」 「来る波に乗り、来た風をつかまえろというんです。逆に波にさからい、風にさからって進もうとしても船はやられるばかりだからって」」 つい…
この手応え。 おのれが、おのれにほかならぬ、という ― その手応えただひとつを、自分はずっと求めていたのだ、と、グインは知った。 (なんということだろう……そうだ、俺は……俺だったのだ!) グイン大活躍の武闘大会。強すぎ。 → 感想
そのことだけは忘れなさんな。タイスにはタイスのきまりがある、ということをな。それはもうそういうきまりごとなんじゃから、タイスにいって、それをイヤだというてもはじまらん。それがイヤならタイスにゆかぬことじゃ。 タイスのあがめる至高の女神、この…
「俺のこの目立ってしかたのなからだの大きさを利用して、逆に俺にしか化けられない変装をすること ― かの有名な巨漢である豹頭王グインに化ける、というのはどうだ?」 パロまでの道は長いぞ → 感想
奇妙な緊張感がわけもなく馬車の周りに漂っているようだった。むろん、馬車のなかでじっとしているフロリーとスーティがそれを感じているかどうかはかれらにはわからなかったが、少なくとも、かれらは妙に神経質になり、そして、おかしなことに不安を感じて…
頑張るのよ、リンダ……ものごとは確実によくなっているわ。少しずつ、パロの状態はよくなっているし……それを信じて頑張るのよ。でないと、本当にまずお前が参ってしまうわ…… カメロン、リンダの悩める心が描かれたシリーズ107巻。→ 感想
存在がゴーラに知られてしまった…… → 感想
彼の方の登場は、70巻ぶり?80巻ぶり? 感想: http://www.booklines.net/archives/4150308268.php
ようやく最新刊に追いついた 感想: http://www.booklines.net/archives/4150308187.php
魔導師のすごさ! 感想: http://www.booklines.net/archives/4150308071.php
読んでると喉が渇く 感想: http://www.booklines.net/archives/4150307997.php
急遽、ケイロニアへ帰還したハゾスはアキレウス大帝に事情を説明する。 だが、自ら赴く予定だったノスフェラスへの道は立たれた。 「万が一にもグインとおぬしを失うわけにはいかぬ」 仕方なしに代役を、そして遠征の編成を決めるハゾス。 そんな折に、また…
実現したパロとケイロニアの極秘会談。 パロのリンダ、ケイロニアのハゾスはお互いに好印象を持った。 常に友好な雰囲気で進んだ会談だが、肝心の未決項目は埋まらない。 誰しも悩んでいる行方不明のグイン、マリウスの処遇。 深刻な話の最中、それは起こっ…
民、そしてケイロニアの協力で少しずつ復興の道が見えてきたパロ。 一方、グイン失踪に納得が出来ず、またマリウスの件を話し合うため、ケイロニアから使者が派遣されることになった。グインの親友であり評価も高いハゾス。だが、彼が旅立ちの前に知った事実…
ノスフェラスでの出来事。 それは今まで渇望していたグインの望み、自分の正体を知るための手掛かり。 ロカンドラスの力を借りて星船に乗り込んだグインだが、突然割り込んだ声に阻まれた。 思いもよらぬ声。 それはつい先日、己と共に古代機械によって転送…
目が覚めたとき、己が身に着けているものは何もなかった。まるで初めて目が覚めたときのように。 今までのことが夢であったかと錯覚したグイン。 だが、そこは己の決断で送られたノスフェラスだった。 何一つ持たないまま、灼熱のノスフェラスにおかれたグイ…
追い詰められたかに見えたグインが仕掛けた罠。 アモンとの駆け引きにより古代機械を動かすグイン。命令どおり事を運ぶヨナ。 そしてパロは開放された。 死に絶えたパロの復活。生き生きとした民衆の声。 だが、グインは、アモンはどこに行ったのだろう……? …
かつての面影を失った死の都クリスタル。 アモンのしかけた巧妙で狡猾な罠に困惑するケイロニア軍。 だが、勇敢なケイロニア軍とグラチウス、ウァレリウスの魔道により、 難関を回避しつつ突き進むグイン一行。 そしてついにクリスタル・パレスへ突入するが…
ケイロニア軍へ次々に襲い掛かる魔道の罠。 それを破ったかに見えたグインの胸に残る不安。 何かを忘れている…… そしてそれは起こった。 グインの唯一の弱点を突いてきたアモン。 最強のグインが揺れ動かされる心。 ケイロニア軍が夢の回廊に囚われて…… いつ…
サラミスへ続く行列。ディーンも戻った神聖パロはこれからの道を見つめる。 一方、クリスタルを目指すケイロニア軍。 圧倒的な力を見せつけるが、突如として襲いかかるのは魔道の力。 グインの判断力によりかろうじて崩壊することなく突き進むケイロニア軍。…
嘆く声は途切れることがなかった。 人々は悲しみ、別れを惜しみ、立ち去る者はいない。むしろ増えるばかりだ。 悲しみはついえない。だがその意思を閉ざしてはいけない。 グインはキタイの脅威を除くため、レムスをたたく決意を固める。 そんなおりにパロの…
ケイロニアとゴーラが結んだ停戦。 だが、ナリスを返すわけにはいかない。 イシュトヴァーンの言い分に猛反発するヴァレリウスとリンダ。 そこへグインは提案をする。 ナリスに会ってみたい、と。 長い長い時をかけた、時代の鍵を持つ二人の出会いがついに実…
ついに激突したケイロニア軍とゴーラ軍。 その報告を受けたカメロンは援軍をどうすべきか検討している最中、 アムネリスに子が生まれそうだという報告があった。 あわてて駆けつけるカメロンにアムネリスは……。 一方、ケイロニア軍とぶつかったゴーラ軍。 指…
はたしてイシュトヴァーンはキタイに操られているのか。 ナリスを人質にとったゴーラ軍に対する懸念はその1点に尽きる。 リンダ、ヴァレリウスはケイロニア軍と共に交渉の場へ向かう。 一方、何のためにマルガへ向かったのか、何のためにマルガを襲ったのか…
リンダの帰還。 それはナリス軍の士気を上げただけではなく、ナリスを慕う市民をも引きつけた。 だがナリスのもとへ来なかったグイン。今はケイロニアの力が必要だ。 リンダとウァレリウスはグインの元へ急ぐ。 だが、ナリスのいるマルガをいつの間にか軍が…
味方のいないゴーラ。ナリスの支援要請を待つものの、一向に事態は変わらない。 このままではパロに孤立してしまう。 焦るイシュトヴァーンは最も信頼のおけるマルコをナリスのもとに送り込んだ。 それが最悪の展開を生むとも知らずに……。 イシュトの焦りが…
レムスの本拠地クリスタル・パレスを訪れたグイン。 そこで見たもの出会ったものは、暗黒の町とレムスの思うがままに動く人々と、 レムスの妻アルミナ、そしてたった二ヶ月にして大いなる成長を遂げた息子の アモンだった……。 圧倒的なまでの力を予感させる…
ついにパロ領内であるシュクへ入ったイシュトヴァーン。 だがそこで待ち受けていたのは、竜の頭をした三タールほどの巨大な怪物だった。 一方、レムスとの会談のため、パロ領内に入り込んだグイン。 目の前を竜の頭をした怪物が通り過ぎ、そのあとにイシュト…