神楽坂淳

大正野球娘。4

「お転婆をするのはかまわないけれども、それで周囲に迷惑をかけてはいけませんよ。人の二倍のお転婆をするなら、三倍品行方正にしなければ、誰も認めてくれないのです。わかりますか?」 「はい」 「それをわきまえてお転婆をなさい」 人当たりの良い小梅を…

帝都たこ焼き娘。大正野球娘。3

「それなら、わたしにいい考えがあります」 ミス・アンナが話に割り込んできた。 「双方、納得がいって、なおかつ、関西の味も関東の味もしっかり伝わります」 「それはなんですか?」 「屋台勝負です」 あー、なるほど、それでたこ焼きなのか。野球がなかっ…

激辛!夏風高校カレー部(いもうと付)

「どうしたの?」 「やっぱり手をつなぐのはヤメ」 「なぜ?」 「気が変わった」 「ははん」 紅が、ぴんときました、という顔をした。 「手をつないでいると、カレーのことが考えられないのね」 ものすっごくカレーが食べたくなるお話でした。幼馴染とのお話…

大正野球娘。土と埃にまみれます

「お嬢。自分のせい。というのはやめていただけないかしら」 静が少々腹をたてた声を出した。 「わたしたちは、お嬢の家来ではなくてよ。自分の意思で、この試合に臨んでいるの。怪我をするのも苦しいのも、全部自分で決めたことなの。家の慣習でもなくて、…

征服娘。

「いいですね。楽しそうだ」 「冗談ではないのよ?」 「俺も冗談は言ってませんよ」 マルコは笑顔の中に真剣な気配をにじませた。 「いいですか、女神様。俺たちはね、どうやって死ぬのかが大切だと思ってるんですよ。海ってのは優しい反面、簡単にひとの命…

大正野球娘。

「なんか、野球ってものがあってよかったなって思います」 「よかった?」 「ええ。野球があったから巴さんともより仲良くなれたし、小梅さんたちとも知り合ったし。野球に感謝しています」 期待をはるかに上回る面白さでした。うわー、シリーズ化してほしい…