宇野朴人

スメラギガタリ(弐) 外道陰陽篇

「……私には、あなたが恐ろしい……。あなたが口にする言葉もそれによって明かされていく世界の真の姿も……まるで確たるものと信じて踏みしめていた大地が、橋から徐々に崩れ落ちていくようで……何もかもが、恐ろしくて堪らない……」 これは面白かった!!!いやー…

スメラギガタリ 新皇復活篇

「血は、生家の歴史は、あなたの生き方を縛っていますか」 「いいや。血も、家の歴史も、既に私という人間の中にある」 これは面白かった!安部晴明の子孫率いる陰陽寮VS芦屋道満の子孫という戦いは、どちらにも正義があるから見応えあります。一気読みだっ…

神と奴隷の誕生構文(3)

「分からんな、セレィ。おまえは理不尽なことを言っているぞ」 「理不尽だと?一体どこが――」 「大陸をひとつに纏める手段が、どうして征服であってはならんのだ?」 面白かった!クルァシン不在の中、サーリャの頑張りが素晴らしかった。まったく罪な男だ、…

神と奴隷の誕生構文(2)

「美しい景色と、見るに堪えない景色の両方が存在することを、あの人に教えてもらった。……それを知った上で、まだ私はこの世界に片思いしている」 一歩進むごとに、逆に揺れてしまうクルァシンの思いは、過去の重さを感じさせますが、そんな彼を支えるのが導…

神と奴隷の誕生構文(シンタックス)

「俺は諦めない。星の数ほど世界があるのなら。そのどれかで、我々とは違うやり方を見つけてくれる者が―いつかきっと、現れるはずだ」 イドははっきりと嘲笑した。 「自分でも信じていない希望を語って、一体誰を説き伏せられる?」 「……そうだな。言葉が届…