野島けんじ

きゅーきゅーキュート!10

『泣けないほどつらいなら、せめて泣いて心を洗えるくらい必死になりなさい。 明星術式を後世に遺したフィラデルフィは悲恋に涙したけど、彼女は最後のその瞬間まであきらめずに行動した、と伝記にあるわ。 歴史に残るほど、彼女はあきらめの悪い、そして信…

で・こ・つ・ん★

自分でもわかってる。 弱いから、泣く。脆いから、泣く。 甘えてるから、泣く。依存しているから、泣く。 どうしたら、強くなれますか? 終盤は面白いんだけど、そこに至るまでの道のりがたるかった。でも、でこつんは可愛い → 感想

きゅーきゅーキュート!9

「負けないでっ!」 後ろから、巴の叫びが聞こえてきた。 理刀は右拳を空に突き上げ、こたえにした。 『本物の走りを見せてやろう』 好きな人のためにがんばる女の子が良かった。で、まだ続くのか。いったいどういう決着をつけるのか気になります。 → 感想

きゅーきゅーキュート!8

出会ったばかりの魔族と人間が、うち解けた様子で食卓を囲んでいる光景は、見ていて気持ちがいい。 外見や、種族や、性別や、生まれ育った世界に関係なく、みんなが手を取り合い、いつも微笑んでいられたら……それはとても幸せなことだと思う。 魔族と人間が…

きゅーきゅーキュート!7

「とにかく、このまま気づかないフリを続けましょ」 キュートは、理刀の手をつかんで「気づいてないよ?」というフリをして歩き続けた。 そこでふと、別のことに気づいた。 あ、理刀と……手……、つないでる。 どの女の子とのデートもすっごい楽しかった。次は…

きゅーきゅーキュート!6

「互いに気張らなくていいのが友達って関係なんだぞ?ほら、気軽に『黒媛』って呼んでみてくれ」 「気軽にって、いきなりそんな……」 「いいから、ほら」 「あなた、意外と強引なところがありますわね」 「ん〜、あなた、じゃなくて……」 「わたくし、強引な人…

きゅーきゅーキュート!5

考えていることはひとつだけ。 自分の、この、確実な、でも曖昧な、重たくて、しかも熱い気持ちを、どうやって理刀に伝えようか、ということ。 ひと言だと、「好き」という言葉になるんだけど……、それだとあまりに直球過ぎて、彼の前で口にした途端、周知で…

きゅーきゅーキュート!4

いまはなにも望まない。 キュートの涙を背に感じている。 それだけで、最高の気分なのだから。 シリーズ通して、一番面白かった。これは今後も期待ですね。→ 感想

きゅーきゅーキュート!3

「未来と向き合うには、ふたつの方法があるんだよ」 パルメザンが、言葉を続ける。 「ひとつは不安を胸に」 そしてゴルゴンゾラ。 「もうひとつは期待を胸に」 「「さて、あなたはどちらを胸に、未来と向き合うのかな?」」 素直な女の子と、捻くれまくった…

きゅーきゅーキュート!2

「あ、あのね……理刀がいやじゃなかったら、なんだけど。その、えっと……星影祭、あたしと、ぺ、ペア組まない?」 言葉がすとーんと心の核に落ちてくる。 星影祭は応援に回るんじゃなかったっけ?なんてヤボは死んでも言わない。返事を考える必要もない。 だか…

きゅーきゅーキュート!

「全部嘘でしたってことになったら、公爵家が大恥かくわ」 「かもね」 「『かも』、じゃなくて、そうなるの。どうせ、キュート・フォンターナなんて名前、だれも知らないんだから」 「『どうせ』って考えるよりも『もしかしたら』って考えるほうがいいと思う…

鳥は鳥であるために 4

生まれる前から自分の役目は決まっていた。 水星家に襲い掛かる呪を祓うこと。そのために植えつけられた呪。 逆らうことは許されない。小鳩を道具として使う祖父。小鳩の世界は常に灰色だった。 そんな小鳩の世界に色を与えてくれた志郎と菓。 だが、ふたつ…

鳥は鳥であるために 3

中途半端な時期の転校生。 皆が仲良くしようと近づくと邪険に振り払う。 そのとき菓は見てしまった。 転校生の後ろに呪が現れたのを。そして彼女がかつての小鳩と同じ目をしていたことを。 ならばそれを取り除いてあげたい。 元気いっぱいに菓は走る! 今回…

鳥は鳥であるために 2

陸上部のレギュラーが練習中に怪我をした。 外傷は無い。だが志郎たちには見えてしまった。 それが呪の力によるものだと。 他人の努力を、見えない力で奪うなんて許せない。 志郎と小鳩と菓は、呪の使い手を捜すが・・・ それにしても、嫉妬という感情がとて…

鳥は鳥であるために

呪受者。それは呪われたものに憑かれた者。 呪は呪受者以外には見えないとはいえ、社会から忌み嫌われる存在。 それゆえ呪受者は皆、必死に隠しながら生活していた。 志郎も他人の呪を食べて消す能力がある呪に憑かれていたが、その存在を知っているのは妹だ…