ろくごまるに
「……分かりました。アルカナムとはいえ、絶対に何かが起こると、決まっているわけでもありませんからね」 「何かが起きそうな場所で、何かが起きない物語なんて、ありはしませんよキセキさん」 絶大な財力と権力を有する桐咲一族の後継者争いといえばそれま…
「何か大儀があるのではないか?口には出せない大儀のために、あえて汚名を受けているのではないのか?動機がないなど、とても納得できる話ではないぞ」 疑問であり、それは一耀にとっても迷いであった。 「……理由はあるさ。でも大儀なんてものじゃない。実…
しばし思索にふけり、龍華は席を立った。そして、周囲をゆっくりと、ゆっくりと見回す。 「意外だ。結構名残惜しいじゃないか。もう二度とここには戻れないと思うと、胸に来るものがあるな」 まったく予想がつかない展開にやられました。11月までに続きって…
真面目な師匠の顔になり龍華は和穂に言った。 「今回の件から何か教訓は学べたか?」 「はい、悪いことはしちゃいけない。って思いました」 龍華は少しばかり額を掻いた。 「いや、取り違えてはいかん。悪いことをするときにはもっと綿密な策を練りましょう…
殷雷は真顔で腕を組んでいた。 和穂には殷雷の態度の理由がよく判らない。 「どうしたのよ、殷雷」 殷雷は呆れた声で言った。 「お前にゃ、敵わないよ」 「? なにが?」 「いいから起きろ、婆さんよ」 「夢の涯」で涙がでました。この短編は倍のお金を払っ…
「やるべき仕事をやらずに済むのが、楽しいんじゃないの。金なんかいらないから、夕飯の準備を頼むよ」 殷雷が切り返す。 「だから、謝礼の金で二、三日休養でもすりゃ」 狼憂は酒をあおる。 「休むんじゃなくて、さぼるのが楽しいんだよ。兄ちゃん、まだま…
「全てを糧にして前に進むの。感情も魂もあなたを引き止めるためにあるんじゃない。一番簡単なのは、怒りをぶつけて泣き叫ぶ事。二番目に簡単なのは、恐怖や悲しみを含めた感情を全て押し殺すこと。 でも、感情を殺したところで、それはやっぱり感情に振り回…
「……殷雷。一体どうしたの……今のは……」 「け。ちょっとお前を驚かせてやろうと思っただけだ」 嘘だ。殷雷はそんな類の冗談をする男ではないし、殷雷の態度からは疲れが感じられた。 「お願い!本当のことを教えて!」 鷹を思わせる鋭い瞳が和穂を射抜く。 「…
「うう。深霜が楽しそうに小物を見ているから、私も何か欲しくなっちゃったのよ」 深霜は当然とばかりに、大きくうなずく。 「ま、あんたを責める気はないけどね。こういうときは 『深霜も買ってるんだから、仕方ないじゃないの!』 と怒鳴るのが正解ね。道…
「あの狐を仕留めに行く」 「……あてはあるの?」 「あれは殷雷刀を狙う」 「それだけじゃ、追跡出来ないでしょ?」 背中を向けて、豹絶は首を振った。 「心配はいらん。……俺にはわかるんだ。あの狐の匂いが」 素晴らしき展開の妙 → 感想
強い相手と戦うのは、どんな時か? 教えて欲しくば、教えてやろう。お前よりはるかに強い、殷雷先生からのありがたい言葉だからな。 武人が自分より強い相手と戦うときとは『相手から逃れられない時』だ! デレデレな殷雷が新鮮 → 感想
短編でもいけてる → 感想
ぐりぐりぐり → 感想
グッときた物語 → 感想
和穂をみていると癒されるんです → 感想
どんでん返しなラストににんまり → 感想
面白すぎる中華風味ファンタジィ → 感想