久美沙織
あの「さよなら」を、取り消す呪文。 そうよ。 「さよなら」 なんて。あたしは言ったんだわ。 どうしてあんなこと……! シリーズ最終巻。落ち込みまくって、でも親友のおかげで気づくことがあり、これまでの習慣じゃないけれど、教会という場で自分を見つめ直…
「えっ、あの、でもそれじゃ申し訳が」 さっさときびすを返して歩き出してたふたりの背中が、パッと振り向いた。 笑ってる。その目が、両方、キラキラ輝いちゃっているの。 「こーんなおもしろいこと、ほっとけるか!」 何この展開。よくぞ無事で……と思った…
「気にするな。おまえさんは私を動かしたじゃないか。桐村だって動くさ。多少時間はかかるかもしらんがな」 あたしが……先生を動かした? 「だから自信を持ちなさい。厚意とおせっかいは結局同じことなんだ。ただ、受け取る側の器量で変わることなんだ。 恋模…
「そんなに、好きか?」 「え?」 「朱海くん」 「ううん、そんな、パパが思ってるようなんじゃないわ」 「ならもう逢ってはならんッッ!!」 お父さんがいなかったらもっとスムーズに話が進むんだろうなあ。ともあれ、恋することにどこか臆病な未来だからう…
あたしは目を閉じる。 見えないあなたに、言えないあたしを。 神さま。伝えてください。 すべての思いを……! 大変な出来事があって苦労もしたけど、自分の思いにちょっとは気づいたよね。「ひと文字」に悶えた。にしても、最後格好いいこと言ってたのに、な…
と、すると。 諸悪の根源、混乱のもと、みなさんに苦しい思いをさせている原因は。 朱海さんが密かに想いをかけているかた、そのひとじゃないの!! うわー。これはひどい。たしかにややこしい!! 文化祭でのハプニングから生まれた恋が切ないなあ。ってい…
「ミシェール。あたしね。でも、絶対、あんたのこと嫌いだって思わなかったわ。お腹の底のほうがチクチクしても憎めなかった。あんたのこと、ほんとに好きだと思った。ほんとよ」 今の学校が好きになり、大人の事情があったり。進学のことでいろいろ悩んで、…
「ぼくの言いたいこと、わかってくれた?」 「あたしは、これからヨットで『初めて』をいっぱい体験する、ってことですか?」 「うん、そう。ぼくにはもう二度と味わえないヤツをね」 麗美さんとのお話しがとても女の子同士のきゃっきゃうふふで微笑ましい。…
「慣れてる場所にしがみついてるのは、おバカだと思う?」 「バカ?……バカとは思わないけど、つまらないかもね。ミックはムービィ好きなんでしょう?」 「好き」 「何のために見る?楽しみたいからじゃない?知らないこと、行ったとこことない見たいからじゃ…
まだミシェールはやめなくてもいいのかもしれない。ミッキーと、未来と、ミシェールと、だんだんひとつにしていけばいいんだわ。 あたしは、あたし。 どこにいても、季節がいつでも、何を着ていても。 文化の違いにショックを受けて、始めは元の学校に戻りた…
長谷川瑛蘭どの 青少年健全育成センターは貴殿の豊かな魔法力を認め、当方にて専門教育を施す必要があると判断した。蒼穹に保護者の了解を得、入学のために必要な準備をすすめられたい。 どっかで聞いたぞこの展開、と僕は思った。 これから面白くなりそうな…
「やつは竜を好きなのではなくて、竜を従え、所有し、何でも無理やり言うことを聞かせている自分を好きなのではないかと思う。好きというのは、そういうことではないだろう?」 「違いますよね」フェンフは言った。「好きって、抱きしめたくなることですよね…
振り返ると、後ろ側にはどこまでも大きな途切れなくさまざまな騎竜や竜車が続いている。カーブの向こうからまだまだぞろぞろ現れてくるのがなんだか巨大な百足のように見えて、フェンフは思わずニヤリとした。 知らない同士がみんなでひとつになって。 レー…
あまい乗り気ではなさそうなのを、ビジューの子なんだし、大きくなるとすっかり変わっちゃうから、可愛い盛りのいまのうちにせめてひと目見ておいてくださいよ、と無理やりに引っ張っていったのだ。 すごかった。 巣の中でぽよぽよとまどろんでいる仔竜たち…
「どう、わかった?」彼女は言った。 「あたしみたいな女の子を抱きしめておいてキスもしないだなんてバカの最上級がやめられたら、とりあえずの第一歩ってとこ。あとは、あんたの、地道な努力次第だと思うわ」 思わず一緒に冒険したくなるファンタジィ → 感…
見つけてしまったのでつい購入。 内容としては、コミックの 1巻と同じ。 ただ、やはり小説のほうが、心情から何から細かい描写があります。 それを一番感じたのは「眼鏡」の話。 なぜエマは断ったのか。 コミックでははっきりと描かれていなかったけれど、小…