大迫純一

神曲奏界ポリフォニカ レオン・ザ・レザレクター 2

「きさまに何が判る。何百年も生きることのできる精霊に、人間の何が判る」 「ああ、判らねえな」 向き直った俺の目に、シザネは何を見ただろうか。 「だが、これだけは知ってるぜ」 思えばそれは、俺が人間について理解している、たったひとつの事実なのか…

神曲奏界ポリフォニカ メモワーズ・ブラック

シェリカは応えなかった。その代わり、激突してきた。 頭突きの勢いで、頭からマナガの巨体に抱きついたのだ。 続く言葉が、もごもごと聞こえてくるのは、顔を押しつけたままだからだ。 「ありがとう」 それだけだった。 そして、それだけで充分だった。 事…

神曲奏界ポリフォニカ まぁぶる 2

「わたくしとスノウは一心同体。スノウを退学させるということは、すなわちわたくしを退学させるようなもの……」 「え……」 「つまり」 プリムローズは、まだ教壇に残ったまま、生徒の質問に応対していた担任のミス・プリズムにつうっと視線を流す。その瞬間、…

鉄刃サザン 3 〜めぐりあう絆〜

「莫迦な!お前達も見ただろう!?この街は、利力に支えられているのだ!」 「違うよ」 ティマの声は冷ややかで、しかし厳然としていた。 「街を支えるのは利力じゃない。人だよ」 何この真っ直ぐな熱い物語は!男女関係なく、全員の覚悟が素晴らしかったです…

神曲奏界ポリフォニカ レオン・ザ・レザレクター

「あなた……止めて欲しい、のね」 俺は、応えない。 「何を抱えてるの?あなたは何を抱えて生きているの?」 「それが判れば」 そうだ。 「俺は、こんな生き方は、してねぇさ」 おお、これは意外に良かった。軽く見せつつハードボイルドなポイント高し。大迫…

神曲奏界ポリフォニカ ペイシェント・ブラック

「あなた達は警官でしょう!?市民を護るのが仕事なんじゃないですか!?」 「いいえ。そんなことが出来るくらいなら、警官なんざハナッから必要ないんです」 そう。それはまさに、彼の信念そのものだ。 「我々の仕事は、隠された真実を探り出すことです。罪を犯…

ゾアハンター

「我々も疑問でしたが、ようやく判りました。痕跡が残らないんです。襲われたが最後、必ず殺されます。だから目撃者が存在しません。残った屍体は、アザエルの感染によって新たなゾーンとなり、現場から去ってしまいます。理論的に、一切の痕跡が残らないん…

鉄刃サザン 2 〜帰ってきた男〜

「傲慢だな」 切り返すセシリアの口元は、しかし強張っている。 「ことの善悪を、そなたが決めると言われるか、ティマ殿」 少女を見つめる目には怒りと、そして同時に逡巡がある。 だが、 「そうだよ?」 応えるティマの瞳には、一点の揺るぎもなかった。 「…

神曲奏界ポリフォニカ レゾリューション・ブラック

「怖かったかい、旦那」 「ああ」 その問いの意味を、黒の精霊は正確に理解した。 「恐ろしかったよ。心底な」 「『本番』は、もっとだ」 「……だろうな」 最終巻かと思うほどの緊迫感でしたよ!ああ、驚いた。どんな「その時」を迎えるか、覚悟についてのお…

鉄刃サザン

俺が人を救うのは、人助けのためじゃなかったからだ。 俺自身のためだったからだ。 なのに。 なのに今、俺は何をやってる? 百人にも満たない人間を護るために、血を吐きながら戦うってか? ストレートなまでに熱いお話でした。 → 感想

戦艦人間ハヤト 3 決戦!果てなき宇宙へ!!

戸惑う人々の声が聴こえてくる。誰もが鈍色に包まれた町の様子に驚き、怯えている。 だが、香奈美は確信していた。 くる。 白銀のヒーローが、きっとくる。 「隼人にいちゃん……」 絶対に。 ちょっと最後が加速過ぎかなあ。もったいない。 → 感想

神曲奏界ポリフォニカ トライアングル・ブラック

「あたしが先に死んだら……マナガ、次の神曲楽士を探す?」 出会うのではなく、探すか、と訊いているのだ。 その質問になら、素直に答えることができた。 「いや、探さない。出会うかも知れんが、探しゃしない」 「どうして?」 簡単なことだった。だが、マナ…

神曲奏界ポリフォニカ まぁぶる

「ほら、あの言い伝えよ。〝年があらたまる瞬間に、いっしょにいた人とは、新しい絆が芽生える……〟っていう……。あんたなんかといっしょにいて、損しちゃったわ」 「そ、そんな、デイジー……」 おろおろするピースに、デイジーは、そのつんけんした口調とは反…

神曲奏界ポリフォニカ プレイヤー・ブラック

「根っからの大悪人が邪悪な企みで事件を起こす、なんてことは、まずない。皆、それぞれに正しいと信じて行動し、そういつに混じりこんだ小さな間違いが悲劇を起こしちまうもんなのさ」 「間違いの記憶を抱えて、生きることだ。忘れたり誤魔化したりしないで…

戦艦人間ハヤト2 脅威!メガナイクス!!

「結局、ヒーローってのは背中で語ってくんなきゃ駄目なのよ、背中で」 「背中ねえ」 「そーだよ。ほら、子供たちが怪人に襲われたりするでしょ?そんで、そこにヒーローが現れるでしょ?子供をかばって立つでしょ?そしたら、子供からは何が見える?」 ヒー…

戦艦人間ハヤト 起動!白銀の宇宙戦艦!!

ど真ん中に、それは、まだあった。 屍体だ。 焼け焦げ、脇腹を砕かれ、頭を半分に割られた、無残な遺体だ。 まさか。 まさか。 まさか! 遺体の前で、隼人は立ち止まる。見下ろす格好になった。 「これは……」 この屍体は……。 人が戦艦に?とコミカルモノかと…

神曲奏界ポリフォニカ サイレント・ブラック

「どういうことだ?」 囁きでも、腹に響く。 「耳の聞こえない神曲楽士なんて、ありえるのか」 「無理だよ……」 「ということは……違う、のか」 彼女が犯人である、という読みが、だ。 「判らない」 捕らえたはずの謎が、新たな謎を呼ぶ展開!→ 感想

神曲奏界ポリフォニカ インスペクター・ブラック

「ニウレキナ・ウク・シェラリエーテさん」 細い声は、マナガではない。マティアである。 「精霊法・第二条第二項に従って、あなたの身柄を拘束します」 認めざるを得なかった。誰か助けが必要だ。 でも、誰が? クデンダルのいない今、いったい誰が? 少な…