虚淵玄

Fate/Zero(6) 煉獄の炎

「それがお前さんにとって、どれほど大切な事柄なのかは解からんが……これだけは言わせてほしい。人生、長生きした後で振り返ってみればな、命と秤にかけられるほどの事柄なんて、結局のところ一つもありはせんものじゃよ」 最終巻。どの戦いも見ごたえあった…

Fate/Zero(5) 闇の胎動

「私が、この生命に代えてでも ―― アイリスフィール、最後まで貴女をお守りいたします。だからどうか、衛宮切嗣のために死んでください。あの人の理想を叶えるために」 下手したらキャスターよりもひどい所業じゃないかと思ったりした。三文劇に踊らされた人…

Fate/Zero(4) 散りゆく者たち

「思索は決してお前に答えをもたらさない。論理に縛られたその思索こそ、お前という人間を歪めている元凶なのだ。ならば、聖杯を手にして祈れ。しかる後に、アレのもたらしたものを見届けて、それを自らの幸福の形と知ればよい」 外道なマスターたちの思惑は…

Fate/Zero(3) 王たちの狂宴

「この戦いに、私は何も求めまい。何も勝ち取るまい。今はただ……キャスター、貴様を滅ぼすために剣を執る」 セイバーとランサーが格好いいと思っていたら、それ以上にライダーが格好良かった。あの状況で酒盛りとか、考えることが凄い。それにしても、英霊た…

Fate/Zero(2) 第四次聖杯戦争秘話

「勝負はこれからです、アイリスフィール。今夜の局面は、これから始まる戦いの最初の一夜でしかありません」 「……そうね」 「いずれも劣らぬ強敵揃いでした。異なる時代から招き寄せられた英雄たち……ただの一人として尋常な敵はいない。 少女は静かに呟いた…

ブラック・ラグーン(2) 罪深き魔術師の哀歌

「今でもまだ、あんたはトリシアを護りたいのかい?」 「……どう答える俺であるべきなんだろうな」 「指図なんてできない。決めるのは、あんただ」 突き放すようにそう言ってから、ロックは穏やかに笑って付け足した。 「だがその前に、ひとつだけ。――護るな…

Fate/Zero(1) 第四次聖杯戦争秘話

『問おう。汝が我を招きしマスターか』 聖杯戦争とは、といった説明や、選ばれし魔術師たちが、それぞれ戦いに向けて動き始めるところまでのお話しなので、まだ序盤という感じ。これからどうなっていくか楽しみです。→ 感想

ファントム ツヴァイ

「彼に悔やんでほしいんでしょう?悲しんでほしいんでしょう?でも無駄よ。所詮、あなたはただの過去。でもあの人は、現在を生きている」 「知ったような口を利くじゃねぇか……」 「笑わせないで。今さら、あなたが彼にとって何だっていうの?あなたが知らな…

ファントム アイン

「あなたには、生まれついての才能があるのよ。人を殺す才能。生き残る才能。暗殺者としての才能が」 「はは……、わけの解らないこと言わないでくれよ。大体、何の根拠があって……」 「わたしを殺そうとしたじゃない」 記憶を奪われ、暗殺者アインの後をつぐこ…

アイゼンフリューゲル

今までにも予感はあった。空を舞う龍の姿に、何か通じ合うものを感じてはいた。有り得なかろうと囁く良識の声が、その直感を曇らせていた。 だがもはや懐疑はない。カールは今こそ心に誓った。 理由もいらない。成果もいらない。ただ龍の如く飛び、龍の如く…

吸血殲鬼ヴェドゴニア MOON TEARS

「忘れないで、惣太。あなたが戦う理由は、あなた独りのものだけど……その結果は大勢の命運を左右する。あなたが想像できないぐらい、多くの人を」 あの選択しかなかったのだろうか。どちらを選んでも後悔するかもしれないが、ああ…… → 感想

吸血殲鬼ヴェドゴニア WHITE NIGHT

「この子はもう大丈夫。吸血鬼になることはない」 「……なんで?」 「そうなる前に『血盟』が解けたから……血を吸った吸血鬼が滅んだからよ。どういうことか、わかる?」 彼に理解させようと、そこで少女は間を置いた。 「あなたも元に戻れるってこと」 もう一…

ブラック・ラグーン シェイターネ・バーディ

「……俺は……こんな場所で……誰にも知られずに死ぬなんて……そんなの、何も残らない!ただの無じゃないかッ」 「そうだよ。無なんだよ」 レヴィは頷いて、空ろな声で嘯く。まるで周囲の墓石の声を代弁するかのように。 「それが嫌なら吼えてみろ。その銃で、この…