田代裕彦

赤石沢教室の実験

なかなか肝が据わっているね。頼もしいじゃないか。いや、楽しみだよ。 「楽しみ……?」 そう、実に楽しみだ。 ― 君が、ひとを殺す日が来るのがね。 これはすばらしいミステリーでありホラーでした。ますます田代さん好きになっちゃったなあ。→ 感想

セカイのスキマ 3

「一応【四つ辻の会】の顧問として助言すると、だ。彼岸の存在とやり合うには、それが一番大切なことよ。自分の<<意味>>を信じること。自分の言葉を信じること。自分を信じること」 「信念……ってことか?」 「うーん。どっちかって言うと、気合かね」 この終…

ネコのおと―リレーノベル・ラブバージョン

「富士見の作家さんってそんなに関係各機関から恨まれてるんですかっ。それともこれは富士見須を亡き者にしようとする○撃文庫の陰謀ですかっ。編集長、なにか心当たりはありませんかっ」 「ごっめーん、ないや!」 この桃色ネクタイ、何のために登場してきた…

セカイのスキマ2

「アタシが訊いたげようか?小澤君に直接さ」 「ふなっ!?やっ、やめてください。そんなことっ」 「えー?なんでー?知りたいんならさ、この際はっきり訊いちゃおうよ」 「……お願いですからやめてください」 「ちぇっ、つまんないの」 悠美は子供のように拗…

セカイのスキマ

「嘘です!」 みこは叫んだ。 「小澤さんは嘘をついていますっ!」 哲は一瞬、足をとめそうになった。みこの言葉には、それほどの力があった。 それでも。 なかなか言うことを聞かない両足を心の中で罵りながら、それでも哲は歩き続けた。 「がんばったって…

シナオシ

ちょっと(激しく?)混乱するかも。 感想: http://www.booklines.net/archives/4829163305.php

平井骸惚此中ニ有り 其伍

同級生からホームパーティに誘われた涼。婚約者である太一を連れて来いとの条件。 婚約者じゃないと否定しながらもどこか嬉しそうな涼は太一を誘う。 ところが同じ日に平井家は弟の婚約パーティに招待されていた。 そこで涼と太一は同級生のパーティへ、骸惚…

平井骸惚此中ニ有り 其四

それは突然起きた。倒壊する家。火の粉に追われる人々。 後に関東大震災と呼ばれる災厄。そこで起こった殺人事件。 未曾有の天災の最中、行く場所はない。変則的なクローズドサークル。 はたしていったい誰が、何のために……。 震災により皆が集まった場所で…

平井骸惚此中ニ有リ 其参

7年ぶりに会う幼馴染。「私のことお嫁さんにしてくれるって約束したじゃない」 そんな昔のことを持ち出してきたからさあ大変。平井家は騒乱にまみれた。 何はともあれ行く場所がないという翠子は、平井家に下宿することに。 だが、太一に会いにきたといいな…

平井骸惚此中ニ有リ 其貮

平井家一家が避暑と称しその地を訪れた理由。 それは編集者である香月の知り合いの子爵の元へ届けられた手紙が発端だった。私は命を狙はれてゐる避暑地として訪れる場所は日下家の当主が療養する場。 折りしもその日は当主の兄弟全員がそろっていた。子爵の…

平井骸惚此中ニ有リ

時は大正十二年。 雑誌に掲載された探偵小説にほれ込み、著者の平井骸惚に弟子入りを希望する河上太一。 難色を示されたものの、婦人の助け舟で居候までは許された太一。 そんなとき、骸惚がお世話になったという池谷が亡くなる。 自殺であると発表されたも…