QED 伊勢の曙光

「定事……って、天皇家にとって、伊勢神宮の祟りは通常の出来事だったというんですか!」
「そうね」
「祟りが?」
「はい」

説明が付きそうでつかない仮説にもどかしさを感じていたけれど、最後の最後でピタっとはまってくれるから、このシリーズは面白いんだ。代々伝わっていたはずの言葉が失われていくところにやりきれなさを思い、でもそれに気づく人がいることに希望の明かりをかんじました。これでシリーズ終了だなんて……もっと読みたいよ。→ 感想

扇舞う(2)

「殿、お覚悟はよろしいですか?」
祥三郎はうなずいた。不思議と、静かな心持ちだった。
「……扇を広げることにしよう」

このシリーズは、家臣たちが祥三郎を見守るときの視線と同じ目線で、読んでしまう。子供から大人へと成長していく姿を目の当たりにして、熱いものがこみ上げてくる。→ 感想

カイザー養成学園 君は世界を支配する。

「貴様も……今にわかる!ここに一年、いや、半年もいれば、発狂したほうがどれだけマシかわかってくる!爽矢・E・シャフトのように、お前もさっさと、くたばりやがれ!」

うーん、なんか、読みづらい話だったなあ。乗り切れないまま、最後まで行ってしまった。設定は面白いんだけに、残念。→ 感想

ビブリア古書堂の事件手帖(2) ―栞子さんと謎めく日常

「……この感想文ですけど……、厳密に言えば、違うんです」
「違うって、どこがですか?」
「内容、です」
彼女は重々しく言った。
「これを書いた人は、本当の意味で『時計じかけのオレンジ』を読んでいません」

相変わらずの雰囲気で描かれる二人の距離がいいです。時折、栞子さんが大輔を意識しているようなことを言うから……もう!いったいどう思ってるのかしらとニヤニヤ。母の話がどうなっていくのか気になります。→ 感想

天狐来々

「そ、そのような犠牲は天命が変わるときには、つきもの……」
「それが、天の定めた運命ならね。だが、今、人界をいじろうとしているのは、君の手だ。君こそが、この世界に戦争をもたらし、人々を植えさせ、世界を焼き尽くす。それだけの罪を君は背負えるの?」

李樹と黒鴉のやり取りが、どこかとぼけていて、頬が緩んでしまう。楽しい。→ 感想

羽月莉音の帝国(9)

「どうする、これから?」
「悠長に構えてる余裕はなくなった。体勢を立て直して、一気に突っ切るしかなさそう」
「やるしかないか」
「やるしかないわね」

ついにきたか!革命が始まっていく展開が熱い。→ 感想

ケガレの乙女

「おまえがアラアラシを連れてきたんだ。お前が無界に入って……こいつ、ケガレだ!こいつが群にアラアラシを呼んでやがるんだっ。ケガレだっ。ケガレの娘だ!」

猪突猛進というか、少女の揺れっぷりがもどかしくいんだけど、不義の子たる皇子とのやり取りから面白くなった。→ 感想