テリー・グッドカインド
「おれは皇帝ジャガンによって差し向けられた殺し屋だ。リチャード・ラールを殺しにきた。やつのところに案内してもらえないか?」 相手を心配するがあまり、物事が悪い方面に転がっていくとか、本当にもう。第四部開始ということで、まだ大きく話は動いてな…
「わたしはわが家の隅っこに縮こまって死ぬつもりはないわ、リチャード。自分の命は自分で戦って守ります。わたしを怒鳴るのはやめて」 「それでは一緒に死ぬとしようか、わが女王」 毎回のことながら、部の完結編は怒涛の展開ですね。闇の信徒が宮殿に戻っ…
「運命はわしらに同意を求めようとはせんものじゃよ」 夢魔によって操られていく人たちの行く末がいかにもあれだ。宮殿組も大変な目に遭い、カーランたちも……良かれと思ったことが裏目に出ていくことで、危険が増していくばかりですが、ここをどう切り抜けて…
「予言に出てくる院長は、あなたじゃありません。誰かはわかりませんが、あなたではないんです」 「ウォレン、思っていたほど悪くない知らせだわ。少なくとも、園恐ろしいことをするのはわたしではないんだから」 「ヴァーナ、ほかの誰かが院長だということ…
「わたしたちがこんな目にあっているのは、あの<探求者>のせいです。必ずや、彼の才と命、そして魂で、わたしたちに償いをさせてやりましょう」 まさかリチャードがさんがこんな手に出るとは!どっちが悪党なんだか分からなくなってきたよ。これは続きがと…
「なぜです!なぜ彼女が生の世界を救うために死ななければならないんですか!そんなのはまったく筋が通らない!」 彼は剣の柄をきつく握りしめた。 「ぼくがそれを止めなくちゃならないんだ!そんなのはただのばかげた謎かけだ。謎かけのために彼女を死なせ…
”ドラウカ” には三つの意味がある。死、霊の運び手、死者の住まう場所。 「ウォレン、ぼくはその意味を知っているんだよ」 「どれが正しい訳か知ってるっていうのか?」彼の指が震えた。 「三つのうちどれがほんとうの訳かという問題を誰も解決できないのは…
「戦争でやらねばならないことに、正々堂々という言葉は通用しません。唯一正当な行いといえるものがあるとすれば、それは平和に暮らすために行われるものです。戦争の目的はただひとつ。殺すことです」 兵力差が十倍もあるのに戦いを挑み、幾度となく死と貞…
「そんなに迷子になりたいのですか、リチャード」 「ぼくはもう迷子だよ、シスター」 リチャード、ゼッド、カーラン、共に大変な旅路になってるけれど、これから一番きつくなるのは、カーランじゃないかしら。ミッドランズで起こっている悲劇を食い止めるた…
「誰があなたを死の運び手と呼んだのです?」 「誰も。ぼくが自分でそう名乗ったんだ。それがぼくのしていることであり、それがぼくという存在だから。ぼくは死の運び手だ」 エイディの過去がやりきれない。力があるというだけで……というのをみると、魔道士…
「でも……きっとぼくらにできることがあるはずだ。それを食い止める方法が」 「ぼくらですって?」ショータは彼の胸を指で突きながら、金切り声をあげた。 「あなたよ!あなただけなのよ、リチャード!あなただけ!あなただけがこの事態をなんとかできるの!」…
不意にゼッドは、自分がこれほど疲れている理由に思いあたった。何ヶ月もダークン・ラールを食い止めようとがんばってきて、ついに勝利を収めたと思ったばかりだというのに、それがほんのはじまりにすぎなかったことを知ったせいだった。それに今度の相手は…
「魔法のもつ皮肉な点のひとつじゃな。成功を手にする前には失敗を受け入れねばならんとは。それに、魔法の重荷のひとつでもある。未来の希望を守るためには、その結果を受け入れなければならん。たとえそれが、ほかのものの死であったとしてもな。自分本位…
「そうなるとわたしたちは、大勢の敵を相手にしていることになるわ」 「それもきわめて危険な連中をな。真実を見ようとしない愚か者は、致命的な敵になる。聴罪師として、このことはもう学んでいるのではないかな?」 愛する人だからこそ結ばれないというの…
「お願い、ショータ。わたしを殺して。そうしなければだめよ。わたしはリチャードを守ると誓ったの。ラールを阻止するために。お願い」彼女はむせび泣いた。「それしか方法はないわ。わたしを殺さなければだめよ」 「それはできないわ」ショータはささやいた…
「リチャード・サイファー、あなたにはわたしの気分をよくしてくれるおかしな才能があるわね。たとえわたしの死を語っているときでも」 「友だちっていうのは、そのためにいるんだよ」 「ありえない」と言われているけれど、リチャードとカーランの距離にき…
「どうやって答えを見つけるかはまったく重要ではない。大事なのはそれを見つけるということだけじゃ」 森で出会ったミステリアスな女に興味をひかれて、そんな彼女と友だちになって手を貸していくうちに、当事者の一人になっていくという展開は、予想通りの…