野梨原花南

姫婚オールアバウト

「美しい」 ネリネが言い、メレンが 「今日はいい日だな」 と言い、レッカは、 「ええ、いい日にしましょう」 と言った。 苦しいこともあるけれど、明るく、前を向いて。読後感が気持ちよかったです。オチも含めて!野梨原さんだなーという感じの作品でした…

公爵夫妻の物語 〜よかったり悪かったりする魔女〜

「戻るぞ」 もう一度同じ言葉を言ったが、マダーはじっとアザーを見つめるだけだ。 アザーは自分が言葉を間違えたのに気がついて、居心地悪く視線を泳がせ、それから明後日の方を見て言った。 「帰るぞ」 「はい」 いろんな場所で笑顔が見えるよ!久しぶりに…

フリンギーの月の王 〜よかったり悪かったりする魔女〜

「そう、奥様にお前が使った魔法も多分そういうことだよ」 「え?」 「話を聞いてやるとかよ。つまりそういうのが結局魔法だったんだろうよ」 一時の切なさと支えられる温かさを感じるお話でした。マダーとカイの間に変化が生まれて、アザーとの間に不器用な…

公爵様の愛の園 〜よかったり悪かったりする魔女〜

「マダー。だってね。どこにいるかが問題じゃなくて、そこで何をするかが問題なのよ。あたしはよかったり悪かったりする魔女になるわ。それはここじゃなくたって出来ることなの。ほんとはなんだって、どこにいたって出来るのよ。だから、あなたがそんな顔す…

スノウ王女の秘密の鳥籠 〜よかったり悪かったりする魔女〜

「ひとは、幸せになりたいから恋をするわけではないんだな」 アザーの過去話が思ったより重い。苦しむ彼に語りかける他の人の姿が、とても愛だと思いました。夫婦が近づくきっかけが見えたような見えないような。もだもだしつつ、ポムグラとピーターの関係に…

公爵夫人のご商売 〜よかったり悪かったりする魔女〜

「見目麗しい少年庭師があなたとお茶を伴にします。お話しもするでしょう。たったそれだけのことですわ。ただ、その庭師は心得ております」 「何を、ですの?」 「ときめきという魔法を」 やばい。このときめきはやばい。マダーだからこそできる商売だよなー…

レギ伯爵の末娘 〜よかったり悪かったりする魔女〜

「でも、おとぎ話に出てくるのは大抵よい魔女か悪い魔女で、よかったり悪かったりする魔女っていうのはあまり聞かないかも知れない」 「そうよ、あんまり聞かないわ!だからこそ!」 ポムグラニットは我が意を得たりとばかり、人差し指を一本立てて一方の眼…

天使から百年(2) 天使から零年

「余裕だろ。必死なら、行動してる。ほんとに望むなら、行動してる。やる気なんかなくても、必死なら、もう始めてる。今してないなら、必死じゃねえんだ。世界一高い山の登り方を知ってるか?」 「ええと、まず、道を調べて……」 「右足と左足を交互に出すん…

天使から百年 魔人と主人と廃棄物

「ユイカ」 返事はない。だがそこにいるのは判った。 「死ぬってどういうこと」 判っているなら教えて。 「どんなに会いたくても、二度と会えないってことだよ」 ロードリーという異形に対抗できる可能性を持つ少年少女が集められる学院に入学した少女・カイ…

マルタ・サギーは探偵ですか?(7) マイラブ

ああ、なんて楽しいんだろう。 ずっとこうしていられればいいのに。 私がマリアンナでも、バーチでもどちらでもいい、こうしていることだけが重要だ。 マルタ・サギーが笑っている。 楽しそうに。 幸せだ。 オスタスのためにと、必死に動くマルタがすてきだ…

マルタ・サギーは探偵ですか?(6) オスタスの守護者

「……か、隠しとおせるさ。今までだって上手くやって……」 「無理です。マリアンナ様は、心を許したものに、隠し事はできません。唯一の選択は、ドクトル・バーチをやめることです。けれど、そうしてまであの小僧と残りの一生をともにしたいですか?目的を捨て…

マルタ・サギーは探偵ですか?(5) 探偵の堕天

「だから鷺井くん。言葉としてはあんまり陳腐で、俺だって今だってこの言葉の意味が全部わかってるわけじゃないんだけど」 森川がまっすぐ自分を見ている。 「今を大事に生きなさい」 あれから七年。いまだオスタスを忘れられない丸太の思いに遣りきれなくな…

マルタ・サギーは探偵ですか?(4) 恋の季節

「もし、お嬢様が窮地に追い込まれて、そして誰かに助けを求めようとしたときに、心に浮かぶ人が、いたら、その人をどんな手を使っても捉えて、放さないようになさいまし」 言われてもマリアンナはよくわからない。 「……それはどういう相手なんだ?」 アンは…

マルタ・サギーは探偵ですか?(3) ニッポンのドクトル・バーチ

「ああ、そうだ、そうしよう。甘いものが好きだというだけで女みたいとか言われる窮屈な世界なら、そのルールに従ってやろう。うん、そうしよう」 バーチはにっこりと笑ってマルタに告げた。 「そのカード、しまいたまえ。明日はデートだ」 カードの力で元の…

マルタ・サギーは探偵ですか? a collectiono of s.2

「まぁ。マルタさんはドクトル・バーチをよくご存知なの?」 マルタの横でこっそりリッツが青ざめる。 マルタはけれど、ほほえんだままさらりと答えた。 「はい。実は僕が探偵Mなんです」 「まぁ。実は私もドクトル・バーチなんですわ」 「へえ」 「うふふ」…

マルタ・サギーは探偵ですか?(2) 冬のダンス

「ですが、ミスタ・マルタ・サギー。ローン完済のお祝いに情報を一つ」 「なんだ?ありがとう」 「ドクトル・バーチは今、傷を負っています。ライバルならば、お見舞いにでもいかれては如何ですか?」 マルタは一瞬息を呑み、目を見開いてから、困惑した様子…

マルタ・サギーは探偵ですか? a collectiono of s.

「じゃ、記憶が戻るまで面倒見るしかないじゃないですか」 「……仕方ないよなぁ……そうだよなぁ。やはりあれか。怪盗としてのモラルか。ライバルに恥をかかせたくないという……いやぁ……そういう慈善も大変であるよな」 「ドクトル、言ってることが滅茶苦茶です…

マルタ・サギーは探偵ですか?

「僕はここに来たばかりだけれど、素敵な女王陛下がいらして、あんたみたいな警官がいるなら……悪くない街かも知れないな」 「どうだろう。ともあれ、オスタスへようこそ。名探偵、マルタ・サギー」 主人公が面倒くさがりすぎるw でもこのマイペースさが、妙…

ちょー葬送行進曲

……早く、こんなことが終わらないかな。 みんなで暮らしていたいな。 眠る前には、ダイヤモンドのキスが欲しいな。 ちょーシリーズらしい楽しさがいっぱいでした。個人的にはもうちょっと甘くなってくれるとうふふだったんですけどねー。 → 感想

ちょー薔薇色の人生

「東大陸からわざわざ来たのよあの子。見せられた夢を一つ、頼み事を一つだけ持って。そんなに必死なんだから、来るでしょう。……そして、魔族の英雄。そんな異名まで手に入れて」 オパールは金色の剣を前にオニキスとやり取りをしている宝珠を見て笑う。 「…

ちょー英雄

「……黎宝珠。何故ここまで来た」 耳の奥に響く音。 「……魔王を鎮めるため。世界を壊さないため。……あたしが世界に歓迎されるために!」 どいつもこいつも恰好いいぜ、こんちきしょー!さあ、クライマックス一歩手前。どうなるか楽しみ。 → 感想