ヤマグチノボル
「テファ……」 「気のせいだよ」 「き、気のせいには思えなかったけど……」 「お月さまが見ていないときは、夢の中のことなの。ちょっとでも夢を見られたから、もう大丈夫。平気。わたし、頑張るね」 ティファニアの思いが切ない。一度だけの「夢」を胸にしま…
「またあなた、自分だけよい子になろうとしたのね?」 「ちが……、そういうわけじゃ……、ただ、迷惑かけちゃいけないと思って……」 「迷惑ですって?バカねえ。友人一人救えないようじゃ、世界なんか救えないわよ」 ルイズの心配してる場合じゃなかった。エルフ…
「騎士か……」 カリンの顔が浮かんだ。 騎士になりたい、と泣きながら叫んだ十五歳。おれが預かった騎士見習い。 サンドリオンは思った。 おれはあいつに、騎士らしいところを一度でも見せたことがあっただろうか」 揺れる乙女心と悪党に届かない歯がゆさと。…
タバサはわずかに口を開いた。教皇の話に、聞き入ってしまったのである。 「明確な危機となって、我らを滅ぼそうとしている。だからこそ四の四は復活し……、我らは聖地を目指さねばならないのです」 「……明確な危機?」 「そうです。それを今から、あなたにお…
「貴様……、咄嗟に狙いをはずしたな!先ほど、ぼくの堂をその杖で貫けば勝負は決まっていたはずだ!どういうつもりだ!このぼくを愚弄するのかッ!」 怒りに震える声で、カリンは叫んだ。冷静に見えたが、どうやら中には劇場を秘めているらしい。 「子供を殺…
「あなた、その人のことがほんとうに好きなのね。いったいどんな人なのかしら。気になるわぁ……」 「好きじゃないわ。ほんとに、ぜんぜん好きなんかじゃないの」 ルイズの目から、ぽろっと涙がこぼれた。そのままぐしぐしとルイズは目の下をこする。 「好きじ…
「ああ、お姉さま。いったいどうしちゃったのかしら……」 シルフィードはきゅいきゅいわめいた。 「恋だな」 きっぱりと、ヴェルダンデが言った。 「恋?恋?恋?」 のぞき事件のときのタバサが心境がなんと素敵な乙女心。ラストの舞踏会が切ない。→ 感想
(じゃあ、わたしはどうなんだろうか?) ルイズの胸に不意に疑問が忍び込んできた。 (自分は「トリスティンの英雄」になりつつある才人につり合うんだろうか?) 今回はそれほどお話は動かず、ネタしこみ……だけど、なんてこと!まさかルイズが!あー、きつ…
タバサの背を、ジュリオは楽しげに見送った。歌でも歌いかねない雰囲気のまま、ジェリオは頭をかいた。 「さて……、どうしてハルケギニアの姫さまがたときたら、こうも頑固なんだろうね。でも、何があっても我らの賛美歌に合わせて踊っていただきますよ。シャ…
才人は乗り込んだ戦車のペットネームの猛獣のように、歯をむき出して唸った。 「ボケが、人型が戦車に勝てるワケねえだろ。図体がでかいんだよ。無駄に高えんだよ」 発射レバーを引いた。 「地球ナメんな。ファンタジー」 コミカルなお話よりも、こういった…
「あーあ、俺だって残念だよ。ったく、こんなわがままで恩知らずなやつの使い魔だなんて……」 「じゃあ帰ればいいじゃない」 「そうできるんなら、とっくにしてるっつの」 二人は、お互い心にもないことを言い合い、そっぽを向いた。それから、才人はちょっと…
「では、シルフィがなんとかしてあげるのね!イカサマとやらを見つけてあげるのね!きゅい!」 タバサは本から顔を上げると、シルフィードをじっと見つめた。それから首を左右に振り 「あなたには無理。今回は頭脳戦」 と言い放った。 「それはつまり、シル…
「風呂がいったい、どうしたんだね」 「女子用の風呂を、劇場として機能させるというのはどうだ?これ以上、男を奮い立たせる催しもないものだ。だろう_」 ギーシュの目が大きく見開かれた。 「女子風呂を覗こうというのか!」 おバカなひと時の休日。って…
「無理してる」 「え?」 「あなたの中に、もう一人のあなたがいて、そう言わせてるように感じる」 才人はどきっとした。呟くような小さな声で、タバサは言った。 「……どっちがあなたの勇者なんだろう」 ルイズもタバサも魅力たっぷり→ 感想
「『誰だって調子の悪いときはある。大事なのは、諦めないことだ』だってさ。この人たちも諦めない。わたしもそうだよ。だから、こんな厳しい生活でも、笑っていられるのさ。だからあんたも諦めないで。期待してるよ、魔女さんたち」 短いけど面白いなあ → …
「どうして、そこまでしてくれるんですか?先生には先生っていう立場があるでしょう?」 どうしてそんなことを聞くのだ?とコルベールは不思議そうな顔になった。 「ミス・タバサはわたしの生徒だ。教師が生徒を助ける。まったくもって当然じゃないか」 ルイ…
「知っておりましたよ。ぼっちゃまがわたくしをかばった理由……、ちゃんと知っておりました」 「……え?」 「それでも、わたくしはぼっちゃまを信じます。たとえ世の中のすべてが『そうじゃない』と言っても、わたくしは信じますよ」 「どうして!どうしてだよ…
「眼鏡かけなさいよ!眼鏡!」 「ダメです!」 ハルカは絶叫した。 「なんでよ!」 「眼鏡かけたらわたし、ぶっさいくなんです!」 続き出てほしいなあ→ 感想
「ルイズ。あんた変わったわね」 「どうしてよ」 「いや……、破れた男の子のシャツを繕ってあげるなんて……、やっぱ恋すると女って変わるのかしら」 「こ、恋なんかじゃないもももももん!ぼ、ボロボロで、か、かか、可哀想だから縫ってあげてるだけだもん!」…
「あいつ、わたしに言ったもの。〝何があってもわたしを守る〟って。わたし、その言葉を信じるわ。だからあいつは生きてる。絶対よ」 しっかりと前を見つめて、ルイズは言った。 「それにね、あいつはわたしの使い魔なの。わたしに無断で死ぬことなんて許さ…
「死人が蘇ると聞きましたが、夜になると、墓から這い出し、家までやってきて生前の動作を繰り返すと。そして朝になると動かなくなると……。そういうわけですか?」 村長は頷いた。 「ほかに特徴は?」 「ある。墓から這い出してくるのは、若者に限られるんじ…
大きな変化をもたらされたかも → 感想
これこそヤマグチノボルだよ → 感想
不意打ちでやられました → 感想
萌えとシリアスと 感想: http://www.booklines.net/archives/4840114498.php
女王の命を受け、町の情報収集の任務を任されたルイズは、下町の酒場で働く ことになったが、自らのプライドの高さが仇となり、なかなかなじめない。 しかもサイトは他の女の子に視線を注ぐので・・・・・・。 そんなルイズとサイトの夏休みを描く連作短編集…
これといって取り柄のない高校生の主人公と、気が強くわがままなクラスメイトの女子。 ひょんなことから相手を傷つけ、その女子に嫌がらせを受ける事が多くなり、決して仲がよくなかったのに、嫌気がさしていたのに、気がつけば気になる存在になっていた。そ…