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無音の哀戀歌 〜さようなら、わたしの最愛〜

「処刑人の抱擁を受けることができるのは、同胞と、―死者のみだ」 これは切なかった。結ばれぬことを知りながら、それでも求めずにいられなかった思いに、胸が苦しくなる。良いものでした。→ 感想

薔薇のマリア(16) さよならはいわない

「大事にしてくれ」 「気をつけるわ」 「大事にさせてくれ」 「……そんなこと言われて、拒めるわけ、ないじゃない」 「拒まなくていい。拒ませはしない。うなずく以外の返事はいらない」 まさに最後の戦いと言わんばかりの戦争模様にドキドキ。思いを告げる者…

レンタルマギカ 争乱の魔法使いたち

「魔術決闘の両者に対して、あまりにも<アストラル>は小さすぎる」 老婆が、言う。 「大魔術決闘だったか。果たしてこの魔術決闘が終わるまで、<アストラル>はもちろん、あの少年も無事でいられるかな」 面白かった!テンション上がりまくりでした。特に…

まもなく電車が出現します

そもそも、シチュー皿の中のジャガイモを誰にも気づかれずに消す方法なんてあるのだろうか? 日常の謎というには、ちょっとひねくれてるところが多いけれど、謎に挑む人たちとそれに関わる人たちの、ずるかったり、優しかったり、時にグサっとくることもあり…

ベン・トー(7.5) 箸休め Wolves, be ambitious!

「へぇ〜、それ、どんな店?」 「多分、哲も知っているし、行ったことあると思うな。……ほら、見えてきた」 あやめが通りの先にある店舗を指さす。 「マッちゃんのスーパーマーケット。あれがアタシのオススメの店なんだ」 いやあ、面白かった!ニヤニヤが止…

東京レイヴンズ(5)

「ま、おれのおかげだな」 「はい。春虎君のおかげです。……この責任は取ってもらわないと」 「え?何それ?どういう意味さ?」 「それは自分で考えて下さい」 短編の夏目無双っぷりがおヤバい。でも本編もまた人間関係が楽しいことになってきた。出来レース…

とある飛空士への夜想曲(上)

「任せておけ。大ヒットさせて、国民的歌手になる。そしたらタケちゃん、わたしに手が届かなくなっちゃうぜ!」 「おれは……この国の撃墜王になる。お前こそ…おれには会えなくなるぞ」 「うわ、言った。どっちが出世するか勝負だ。負けないぞ!」 空への憧れ…

狼と香辛料(17) Epilogue

「でも、だからこそあの二人が、まさかきちんと式を挙げるだなんてちょっと意外だったかな」 末長くお幸せに。→ 感想

吉原夜伽帳 -鬼の見た夢-

「笑って、笑って、ほんの気持ちを押し隠し、嘘の言葉で己を塗り固める……そうやってあんさんを育てたんは、わちきでありんす。わちきは、所詮、籠の鳥。そんな生き方しか、知らんした」 「……」 「あんさんとわちきは、合わせ鏡。どんなに手を伸ばそうと、交…

エデンの嘘 シスター・ブラックシープ(4)

「だから僕は『黒い羊』をここで終わらせるわけにはいかないんだ。たとえ、僕がこの街を出て行くことになっても」 一気に話が動いてきて、すごかった。そろそろ正体がバレるかなと思ったけれど、まさかこんな形になるとは……ここにきて悪魔のターンがやってき…

NOTTE -恋情の十字架-

「だって……わたしの好き、は……」 「うん」 「……邪魔、ですから」 いやあ、これは可愛いお話だった。傍にいることを嬉しく思っていたのは、実は……というあたりを自覚していく過程が、きゅんとなる。ちょっぴり胸が痛くなるところもあったけれど、すべてが終わ…

残光の女神と1/2アンデッド

「那由子さん、ほら」 冬哉は奥歯を噛みしめ、それから口を開いた。 「生きな」 シリーズ当初は怖い印象ばかりだったのに、終わってみたら、こんなに感動させられるなんて。とても良いお話でした。→ 感想

幽霊伯爵の花嫁

「危ないと言っているのに、どうしてここへ来ようとする?どうしてそんなに、私に近付こうとするんだ?」 「簡単な理由ですわよ。私があなたに近付こうとするのは、私があなたを全く好きではないからですわ」 これは面白かった!美人であることを謙遜するこ…

僕と彼女のゲーム戦争

「たしかにこのスペランカーは非常に高い難易度を誇り、ユーザーを選ぶ。しかし、このゲームにもこのゲームなりの面白さというものがある」 「……わかります。なんだかんだで、やってる間は僕も楽しかったですから」 「そう、そうなのだ!」と瀬名先生が叫ん…

Fate/Zero(6) 煉獄の炎

「それがお前さんにとって、どれほど大切な事柄なのかは解からんが……これだけは言わせてほしい。人生、長生きした後で振り返ってみればな、命と秤にかけられるほどの事柄なんて、結局のところ一つもありはせんものじゃよ」 最終巻。どの戦いも見ごたえあった…

アクセル・ワールド(8) 運命の連星

「先輩、僕は、最初にレイカーさん、次にニコから、心意システムについて大切なことを教わりました。でも……僕の<親>はあなたなんです。僕は先輩のすべてを知りたい。何もかもを教えてほしい。お願いです……僕に、あなたの心意を教えてください」 自分に自信…

はたらく魔王さま!(2)

「でもね、これだけは言わせてもらうわ」 「私が目指した平和は、みんなが笑顔でいられる平和よ。犠牲を必要悪と断じて、友だちを泣かせた事実に目を瞑る、そんな平和のために、私は戦ってきたんじゃない」 魔王よりも、いわゆる正義の側に立つはずの勇者側…

彩雲国物語 紫闇の玉座(上)

「命を賭けるなら、もっと別なことに賭けるって、さ」 「そういっていましたね」 「見たいな……。あんな娘が生きてつくる、先の世界が見たい」 旺季の頼りになる姿をみてたら、この人が王になってくれたら……と思わずにいられなかった。でも、劉輝のためにまさ…

天冥の標(4) 機械じかけの子息たち

「本当になんとかできないのか?抑えられないし、勝手に暴れてあふれるものだけど……どろどろして汚して壊すとは限らない。いや、いや、違う。勝手に暴れてあふれてどろどろして汚して壊すものだとしたうえで、でもそれだけなのか?って思う。……それだけじゃ…

天と地の守り人 第二部 カンバル王国編

「でもね、なにもかもを背負える人なんて、この世にはいないし、だれも傷つけず、だれにとっても幸福な解決なんてものも、きっと、この世には、ありはしないんだよ」 「……でも、おれは……そういう解決を、したいんだ」 ふたりで進むたびの険しさといったらな…

天と地の守り人 第一部 ロタ王国編

「その道に行っても、楽にはなれない」 チャグムは、気恥ずかしそうに顔をしかめて、その言葉を押し出した。 「わたしが背負っているのは、重荷じゃなくて……夢だから」 バルサの抱えるチャグムへの思いが、苦しいほどに伝わってきてたまらない。辿りつくまで…

彼女は戦争妖精(8)

「クリスは、イオリといっしょにあのおうちでくらしたいよ。リリオーヌやトキワだってあそびにきてくれるし、ルゥやミッチーおじさんがいて、たまーにさつきもあまいものもってくるし――だからクリスは、にげない」 伊織と常葉の距離が変わり、そのことが戦う…

ココロコネクト クリップタイム

「普通の奴らが普通にやっただけじゃ、できないかもしれない。だが、アタシ達にはできる。なぜなら」 「アタシら五人揃えば無敵だからさ。少なくともこの学校内じゃな」 楽しかった!五人だからこそという信頼関係が生み出す勢いにやられるばかり。そんな中…

霧こそ闇の

「おれと狭霧は、荷車の両輪のようなものだな」 義伯の声は、眠たそうではあったが弱くはなかった。 「狭霧が物の怪を見つけ出し、おれは、病で傷んだ体を治してやる。両方そろわねば、病者は健やかにならんのだ」 読み終わった時に、じんわりと涙が浮かんで…

魔法書の姫は恋をする はじまりのキス

「人に興味をもつのはいいことだよ。背表紙だけ眺めていた本を、手に取って開いてみるのと同じだ。まずは手に取らなくては始まらない。そして読んでみれば、数ある本の中の一冊が、自分にとってかけがえのない一冊になるかもしれない」 「……」 「さて、アレ…

東京レイヴンズ(4)

「今日は私と春虎君だけ?」 「ああ」 「……ふ、二人だけで、街に、遊びに?」 「そう」 「……そ、それって、デー」 「ん?」 学園ラブコメ短編集。めっちゃたのしい。夏目さんの暴走と、意外に活躍するコンに、ニヤニヤが止まらなかった。いやー、続きがたの…

理想の花嫁

「いや」ことさらゆっくりと言った。 「よくない。紳士はこういうことをしてはいけない。ぼくはこういうことをしてはいけなかった」 「なら、どうしてしたの?」 「わからない」 楽しかったー!道に倒れてた女性を助けたら、という出会いから始まる身分違い…

ストライク・ザ・ブラッド(1) 聖者の右腕

「さあ、始めようか、オッサン。ここから先は、オレの戦争だ」 「いいえ、先輩。わたしたちの聖戦です」 オーソドックスだけど、面白かった。これはいいボーイ・ミーツ・ガールですね。それにしても、吸血ってなんでこんな……いいですね。→ 感想

魔石の伝説(6) 予見師の宮殿―「真実の剣」シリーズ第2部

”ドラウカ” には三つの意味がある。死、霊の運び手、死者の住まう場所。 「ウォレン、ぼくはその意味を知っているんだよ」 「どれが正しい訳か知ってるっていうのか?」彼の指が震えた。 「三つのうちどれがほんとうの訳かという問題を誰も解決できないのは…

俺の妹がこんなに可愛いわけがない(8)

「もしも近いうちに、『あんたが大切にしてる女の子』から告白されたら、ちゃんと……真剣に考えてあげて」 「その子、ほんとにあんたのこと、好きだからさ」 ちょーーーーニヤニヤした!何この可愛いの!嬉しさと恥ずかしさとドキドキが伝わってくるお話でし…