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「アリサ様、いいことを思いつきましたわ」 「……何?」 「王女の婚約者、柳楽淳に的を絞るのです」 「あの男に的を?どういうこと?」 「フフフ、柳楽淳をアリサ様の所有物にしてしまうのです!王女から奪い取るのですわ!」 前作はくだらないギャグがジャブ…
「なんでそんなこと言うんだ。それって良いことだろ?」 「マハルさん……?」 「よくわからないけど、世界がハルミにしか見せない顔が沢山あるってコトだろ?それっていいよ」 理系と言いながら理系じゃなかったのが個人的に物足りない。っていうか、とても読…
「どういうアルバイトですか?」 厄介ごとが近づいていると、頭の置くの警報が最大規模で鳴り響くのを感じながら、隆太が尋ねると、一拍の間があった。 「簡単なことだよ、ちょっとした調査の手伝いと……場合によっては人間狩りを少し」 かわいらしい表紙から…
「君はいつも僕に時間を教えてくれるね」 「そう?」 「うん。ありがとう」 「あなたが『ありがとう』と言う時はろくなことがないわ」 笑いのセンスが合わないせいか微妙でした。 → 感想
「でも、ひとを愛するのは苦しいです。だって、結局失うじゃないですか。私は、愛したひととは永遠にしあわせに、ずっとずっと一緒にいたい。でも、永遠なんて無理ですよね?」 あー、惜しい。ほんと惜しい。あそこさえ気にならなければ、ごろごろしまくれる…
「えっと……学園長、今のはどういう……」 「どういうもこういうも、ねえ」 学園長は、足を組んで背もたれに背中を預けた。 「そっちの女子三人は土岐川清海の婚約者って設定だってことだよ」 もうちょっと話が進んでくれないと……ってのが正直なところ。 → 感想
串中弔士。 彼は誰よりも危険人物だった。誰よりもリスキーだった。 串中先生は何もしないのだ。 掛け値なく、誇張なく。本当に、何もしない。 その代わり、人に何かをさせるのだ。 うーん、イマイチだった。ちょっと地の文がくどくて。 → 感想
「あの、ええと、わたしもわかる感覚なんですけど、自分に自信がもてないと、自分が弱いってことを、認められないんですよ。苦しくて、耐え切れなくて壊れちゃうから」 明良は黒い瞳で、じっと七海を見ている。 「だから人から、完全に逃げ場を奪ってしまう…
「あーら、私は貴女に親しみを込めて愛称で呼んでいるのにひどいわー。ぺたんこちゃんじゃ不服なのかしら。じゃあ、ぺたちゃんにしましょうか?こっちのほうがなんだか犬猫みたいでかわいいじゃない?」 「あ、あれが愛称ですって!からかって楽しんでるだけ…
「残念だけど、彼にはわたしが必要じゃないわ」 淋しそうだが、きっぱりとした清々しい口調だった。 「わたしわかった。自分が必要だからって、その人の考えを無視しちゃいけないって。その人には、その人のいる場所、必要とされている場所があるのね」 少女…
「いい?……男らしく責任とって、彼女、ちゃんと幸せにしなさいよ」 最後にそう捨て台詞を残すと、軽やかな足取りで彼女は去っていく。 だから、まだ彼女でもなけりゃ……やってもいないんだってば! うーん。ふたりで探偵していくところはすっごい好きなんだけ…
「おれ、鳴美の一件のとき、気をつけろとかもう関わるなとか、お前に言ったろ」 うつむくハヤトをそっと包むような声。 「あれってたぶん、どっかで予感してたんだと思う」 「何の予感?」 「お前がいつか、ここじゃないどこかへ帰ってく予感」 二章までは良…
「俺は本の探偵。それは嘘じゃない。俺の目的は本を探すことだ。しかし俺が探しているのは、そんじょそこらにある普通の古本じゃない」 え?と綴は思わず顔を上げた。続いて出たコウの言葉が綴の耳で反響する。 「呪いの本だ」 本をめぐるお話ではあるんだけ…
「……いい?これだけはハッキリさせとくわよ?私は恭太郎のコトなんて嫌いなの!でも、この後宮にはあんたしか<王仕さま>がいないから……」 緊張したようすで手を動かして、王女はウエスト辺りで体操服の裾を握り締める。 「トレクワーズを救うにはあんたに…
「いいだろう。綾平きらら、お前のすべてを俺に見せてみろ!」 俺は世界一の悪役教師。 ガキは嫌いだが……まあ、たまにはガキどもから学ぶのも悪くない。教師ってのは生徒と一緒に成長する生き物だからな。だから俺は教師を辞められねえのさ。 ……いや、別に俺…
「魔術と同じです。最初は人々に受け入れられなくとも、それが正しいと信じるならば、堂々と証明していけばいい。現在この国を支えている魔術の基礎となっている理論の多くは、そうして完成したのです。そう。奇異であることは罪ではありません。真に恥ずべ…
「貴様が壊した人間の記憶読解はこれで二度目だ……この化け物め!貴様は本当に人間か……!?」 俺は黙ってその言葉を受け入れた。数秒考えてから、ふんと鼻を鳴らして、口を開く。 「知らなかったのか?俺はとっくに人間なんか辞めてるんだよ」 いまいちノれな…
「羽田くん……」 そのとき、後ろにいた彼女が声をかけた。 「わたしを、魔女にして……」 うーん、面白いんだけど、悪くないんだけど……微妙。→ 感想
「じゃあ……『人を殺しちゃいけない理由』ってなんですか?」 まだ七歳だったチルビィの無邪気な質問に、さすがの恩師も目を瞬いてその質問に驚いていた。 「チルビィ」 「はい」 「あなたは私を殺せますか」 「は?」今度はチルビィが驚く番であった。 「む…
「……あのさ、ちょっといい?」 まさかな、と思いつつ、慧は口を挟んだ。 「なんだ?」 「うん。まあ違ったら恥ずかしいからスルーしてほしいんだけど。秋永くん。君、もしかして記憶喪失になってるなんてことない?」 うーん、なんか、事件をなぞってるだけ…
彼女の言葉は、僕がたぶん、考えまいとしていたことに違いなく。 だからこそ、こいつがあっさりとそれを指摘してしまったことに、怖くなった。 そんな僕の狼狽を他所に、殊子はひとりごちた。 「楽しみではあるよ、私は」 「何が、だよ」 「ま、どう転んでも…
「川島が、もっとしっかりしてたらいいんだけど……難しいかな?ずっと前からあんな感じだから」 「付き合い、長いんですか?」 「そうね。ちっちゃいころから知ってる。昔はかっこ良かったんだけどなあ……」 言ってから、はっとした表情になって、 「……今言っ…
「確信があるわけではありませんが、仮説は立てられます。精神的な、あるひとつの感情があれば、彼女の行動の全てを完全に説明できますから」 「感情?」 「はい――『恐怖』、ですよ」 志乃ちゃんと「僕」話以外はびみょ……。次が合わなかったら切る。→ 感想
「お前の中でのオレが、その他大勢の男じゃないと解っただけで収穫だ。今はそれでいい。お前にとって特別な存在だとわかっただけで、これほど嬉しいものだとはな……こんなのは初めてだ」 「王子……」 「お前は人一倍鈍いからな……ゆっくりでいい。焦らなくてい…
「せっかくだから言ってやろう。おめーは軍人には向いていねえ。けどな、向いてねえならそれなりに何かをやろうとしたか?戦場ってのはな、ごまかしのきかねえ現実なんだよ。目を背けたってゴブの野郎は襲いかかってくる。こんなの嫌じゃ通らねえんだよ。考…
「なにをする気なの、クダン!」 「あなたの未来に災いが見える」 「やめてよ、あなたのインチキ予言なんて聞きたくない!」 ヌエは両耳をふさいで、首を左右に振った。 「大丈夫、人一人の災いを予言したって私は死んだりはしない。ただ、あなたの世界から…
「では、シルフィがなんとかしてあげるのね!イカサマとやらを見つけてあげるのね!きゅい!」 タバサは本から顔を上げると、シルフィードをじっと見つめた。それから首を左右に振り 「あなたには無理。今回は頭脳戦」 と言い放った。 「それはつまり、シル…
「じゃあ……どうすれば動いてくれるんです?」 「貴様だよ、シュンゴ」 にやりと、ひどく攻撃的で挑発的な笑みをヒルダは閃かせて、 「貴様自身がその価値を示し、対価を支払い、而して予を動かせ。リョウコとミキヒコがそうしたようにな」 「価値に対して対…
「ちょっと待って、父さん!それは、今でも父さんやぼくを、忍者が護っているということ!?この二十一世紀の世のなかにあるわけないよ!」 「この二十一世紀にあるからこそ、わざわざ息子の誕生日に教えてやっているんじゃないか」 「じつは母さんも忍者な…