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恋のドレスと花ひらく淑女 ヴィクトリアン・ローズ・テーラー

「キスしたいか?」 「……うん」 「きみからしてもいいんだよ?たまには」 「そんなこと、できません」 「俺がしてもらいたいって言っても?」 ぶっちゃけこの巻で終わってもいいぐらいにいい雰囲気で終わっていましたが、まだ続くのか。見えてきた希望がつか…

鏡の国の灰かぶり姫

「あたしは決断したの……。一番大切なものを守るために。だから、王宮を出たの」 「あなたは、決断することができる?一番大切なものは、何?」 好きな人のためを思ったこととはいえ、忘れ去られることの何と苦しいことか。王妃を騙ったとして糾弾しに来たシ…

アクセル・ワールド(9) 七千年の祈り

「ハルユキ君。キミは私のものだ。私は諦めない。キミを失うことなど容認できない。断じて」 面白かった。アッシュ・ローラーには驚いたけれど、ようやくたどり着いた災禍の鎧の結末が良かった。→ 感想

はたらく魔王さま!(3)

「……要するにあれだろ、お前ら」 「何よ」 「アラス・ラムスのことが好きになっちまったんだろ?」 いやあ、楽しかった!小さな子に振り回される魔王城の人々に頬が緩む緩む。育児の大変さと、それを補って余りある子供の愛らしさにやられました。勇者と魔王…

銀砂糖師と赤の王国 シュガーアップル・フェアリーテイル

「人間は人間と。妖精は妖精と。同族同士で生きるのが幸せだ。そうだろう。もしほんとうにシャルのことを思うならば、彼が妖精の仲間と生きられるように、おまえは努力すべきではないか?」 相手の幸せを思うが故に、近づけないという二人の思いが切ない。傍…

カレイドメイズ(3) 魔法じかけの純情な感情

「カイルさん、ご武運を!」 もう長い時間逃げまわって疲れてきていたはずなのに、足が軽くなった気がした。彼女の一声はいつも背中を押してくれる。 ラブコメ模様の動きもさることながら、記憶をなくし、ただひとつの目的だけで動いていたネーフェが、もう…

悪魔のような花婿 ダイヤモンドは淑女の親友

「そ、そういえば、わたし、パイ作りの途中だったのです。もうパン焼き室に戻らなくては」 「後にしなさい。私はパイよりもあなたの甘い唇を所望する。私のキスを受けて日向に置いたバターのようにとろけ、恍惚と崩れ落ちるあなたの可愛い顔が見たいのだ」 …

氷結鏡界のエデン(8) 悲想共鳴‐クルーエル・シャウト‐

「見つけに行くしかないんだよ。失ったものは話し合いでは戻ってこない、失った場所へ見つけに行くしかないのさ」 モニカの思いがやるせなかった……でも、それを引き上げる仲間の絆が素敵。副題から連想されるものがあるだけに、此処から先が楽しみです。→ 感…

悪魔が来たりて恋を知る

「違う!その……、君があまりにも魅力的だからだ!美しくてか弱い女性は、無闇にそのすばらしさを男に教えてやると危ない!……まあ私は騎士だから、誘惑に乗ることはないが、他の男には絶対……」 おいなんだこの可愛い二人は!引っ込み思案の悪魔が惚れ薬を飲ん…

山がわたしを呼んでいる!

「呼ばれた?」 「ふっと登ってみたくなったり、今まで縁がなかったのに急に登ることになったり、そんなふうにして白甲ヶ山に来る人たちのことを、ここではよく『呼ばれた』って表現するんだ」 山のことなんて何もしらないド素人女子大生あきらが、口うるさ…

神様のメモ帳(8)

「なんのために?」 「なんのために、って」 「いや。すまない。これはなかば自問だよ。わからないんだ。ぼくらは今だれのために探偵をするんだ?」 四代目がメインとなるお話。繋がりのある短編集はコミカルなものからシリアスへと変わり……不器用な二人が、…

ロクサナと麗しの花婿たち

「い、いてくれるの?ここに残ってくれるの?」 「……察しろ馬鹿。言わせんな」 たのしかったー。強い女性たちに囲まれて、ひとり弱々しく生きている少女が、すこしずつ変わっていく姿が素敵。→ 感想

僕と姉妹と幽霊の約束

「俺はさ、幽霊は、成仏するべきだと思う」 前だけを見て、振り返らずに彼は続ける。 「幽霊は哀しい存在だ。だから、どんなに辛くても、一緒にいたくても、成仏しなきゃいけないんだ」 この雰囲気は良いなあ。孤立していた少年の秘められた思いが切々と描か…

水恋戯

「アンタの気持ちはアンタのものでしょ。否定はやめたら?」 「え……?」 「アタシが名前を否定しちゃった時、哀しかったんでしょ?いまのきもちを否定したら、今度はアンタの心が哀しいって泣くんじゃない?」 水戯団におけるやり取りとかとても良いものだっ…

火の国、風の国物語(13) 英傑雄途

「アレス、命令だ」 クラウディアのそれは、独り言ではなく、命令だった。 「この国の戦乱を終わらせよ。そして、一人でも多くの命を救うのだ」 いやあ面白かった。アレスの活躍のみならず、配下についた者たちそれぞれの戦いが、戦力差を埋めていく展開が熱…

とある飛空士への夜想曲(下)

「知ってるかな、ビーグル」 青年は空へむかい、届かない言葉を送った。 「あなたはぼくの憧れなんだ」 もう、じんわり涙が止まらない。国力の差は歴然としていて、どんな精鋭であったとしても物量には勝てず、ジリ貧とわかっていながら、それでも飛び続けて…

キスよりも遠く、触れるには近すぎて ヴィクトリアン・ローズ・テーラー

どうして、自分から周りの人間をはねつけたりするの? どうしてもひとりでいたいのなら、わたくしが見ていてあげる。 誰も注目しなくても、わたくしだけは、あなたのそばにいてあげる。 笑って。 シャーリーが可愛いったらない!→ 感想

ストライク・ザ・ブラッド(2) 戦王の使者

「あなたのことは、怖くないわ。不思議ね……世界最強の吸血鬼のくせに」 女の子たちの可愛いこと可愛いこと。ツンとしながらも、時々自分の思いを見せるようなヒロインたちに振り回される最強の吸血鬼にニヤニヤする。守るべきもののために戦い、でも、それす…

鳥籠の王女と教育係 夢で逢えたら

「あなたは、どんな憎まれ口を叩こうと、すねようと、怒ろうとかわいいですから」 「あなたにとっては、でしょう」 「何か不服ですか。好いた人に好かれる。それ以上のしあわせがあるとでも?」 短編小説+漫画が収録されてる短編集。ああ楽しい。漫画になる…

烙印の紋章(9) 征野に龍の慟哭吹きすさぶ

「おれは、確かに一度は逃げたのだ。あらゆることから――皇帝から、メフィウスから、ガーベラやエンデのことから、そして姫、あなたからも」 「――」 「しかし、おれをここへと呼び戻したのも姫だ」 ギルとしてカムバックする姿が格好よくて、このまま順調に行…

美少女を嫌いなこれだけの理由

「さっき言ったろ、爺さん」 「ここで逃げたら、美少女じゃねえ」 文章が合わなくてきつかった。設定は面白いんだけどなー。→ 感想

ようこそ、古城ホテルへ 湖のほとりの少女たち

「ここは古城ホテル『マルグリット』。あなたがたは、この古城ホテルの女主人と鳴るために迎えられました。……この城に残るものは生まれは問いません」 「女主人となれるのは、あなたかたの中でただひとり。あなたがたには、女主人となるため、私の審査を受け…

俺の妹がこんなに可愛いわけがない(9)

「……ごめんなさい」 「こっちこそごめん。助けてくれてありがとう。でも――ふざけんな」 ああ、ニヤニヤが止まらない。黒猫の妹視点によるお姉ちゃん話から始まり、シスコンな兄たちによる妹自慢大会とか、その逆、妹たちによる兄自慢とか、どれもこれもたま…

六花の勇者

「勇者の数は六人。それ以上ということも、それ以下ということも、絶対にありえん」 「だけど、現に七人いるのよ」 「そう、七人おる。どういうことじゃ」 めちゃめちゃ面白い。嫌疑をかけられたところからどうやって逃げ出すか、偽者はどうやって結界を作動…

丘ルトロジック(3) 女郎花萩のオラトリオ

「さぁ、やろうぜマゾダチ。どうやったら一番愉しいか考えよう」 蜂須が俺に向けて金属バットを掲げる。 「囚われたアホなお姫様を救出しに行くのは、マゾの使命だ」 遠いようで、実は身近なんじゃないかと、そう思える歪みにぞくぞくする。今回は盛り上がり…

モテモテな僕は世界まで救っちゃうんだぜ(泣)

「人並みに女の子が大好きであることは否定できないけど、二股とか浮気とかで傷つけたくないよ。でもさ、そう思っても僕はいつだって女の子を傷つける」 女と見ると口説く様は、どうにもアレなんだけど、だんだんと格好よく見えてくる不思議。ラブコメ部分は…

心星ひとつ ― みをつくし料理帖

「この歳になればわかることですがね、精進を続けるひとに『ここまで』はないんですよ。『ここまで』かどうかは、周りが決めることではなく、自分自身が決めることでしょう」 ああもう。女の幸せという言葉は、正しくもあり……だよなあ。思いが届きそうで、ま…

超特急便ガール!!

「人生な、いくらでもやり直しなんかきくんだよ。でもな、できるだけ最短距離でゴールまで行けりゃ、それに越したことはないだろ?」 最後の、思いを届けるようなリレーには、涙がじんわりきましたよ。同じ方向を向いた人たちが集まったからこそ、だよなあ。…

魔法書の姫は恋をする 守護者の誓い

「火は善でも悪でもないよ、ソフィア。本当に怖いのは火が本を焼くことじゃない。― 人が本を焼くことだ」 いやー、いいですね。恋に気づいていく過程というのは!ニヤニヤが止まらないったらない。悪い虫を追い払おうと神出鬼没なお兄様の過保護さも楽しいけ…

魔法科高校の劣等生(2) 入学編 下

「悪い人ですね、お兄様は」 「今更だな、深雪」 いろんなところで格好いいシーンがあるし、どのキャラクタも魅力的だし、終盤の盛り上がりとかとてもいいんだけど、どうにも読みづらい。説明が妙にくどいからか、視点がころころ変わるからか。面白いのに、…